健康や心のモヤモヤが増えてくる40代50代。お悩みに際して少しでも心が軽くなるように、産婦人科専門医の高尾美穂先生が親身になって答えます。ここでは、頭痛や立ちくらみが増えたという読者のお悩みについて、ほかの病気が潜んでいる可能性を教えてくれました。

読者のお悩み:頭痛や立ちくらみは更年期のせい?

以前から更年期症状があり、2年前から頭痛や立ちくらみを感じます。市販薬を飲むと落ち着きますが、調子が悪いときは数日続くことも。この症状が更年期によるものか、ほかの病気か区別がつきません。(Tさん・53歳)

不調を「更年期のせい」とひとくくりにするのは危険

まず大前提として、更年期障害の診断には、ほかの病気が潜んでいないか確認する必要があります。頭痛や立ちくらみは女性に比較的多い症状ですが、更年期によるものとは限りません。

たしかに更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の乱高下が激しく、自律神経が乱れやすいとき。そのため血管の収縮・拡張や血圧の調整がうまくいかず、頭痛や立ちくらみが起こることも珍しくありません。

しかし、慢性的な頭痛や立ちくらみのようなふらつきには、脳腫瘍のような怖い病気が隠れている場合もあります。相談者さんは以前から更年期症状を感じていますが、すべての不調を「更年期のせい」とひとくくりにするのは危険なことです。

「市販薬を飲めば治まるくらいの軽い頭痛で病院に行ってもいいの?」と悩まず、一度受診をおすすめします。「仕事や家事を休みたい…」と思うほどの症状であれば、病院にかかる立派な理由になります。

なお、頭痛は脳神経外科や頭痛外来、立ちくらみは耳鼻科が専門です。一度検査を受けると安心にもつながります。

ほかの病気も併せて検査の機会と考えましょう

さまざまな不調が現れる更年期は、健康状態の棚卸をする絶好のタイミングです。気になる症状の裏に大きな病気が隠れていないかチェックしましょう。

40代以降は、女性は子宮体がん、乳がん、卵巣がんのほか、大腸がんの罹患率が上がります。また、健康の守り神であったエストロゲンが減ることで血圧、コレステロール値などが高くなり、動脈硬化や糖尿病などの心配が増えるので定期健診も忘れずに。

なお、検査の結果、「経過観察」になると病院に行くのをやめてしまう人がいますが、これはもったいないこと。健康に対する心構えが必要な世代だからこそ、面倒くさがらず「経過」と「観察」するための通院をおすすめします。