清武は今週の練習で負傷してベンチ外となり、この日に先発した野村も81分に下がっていたから、終盤は相手の圧を受け続ける状況に陥ったのだ。

 そして迎えた後半のアディショナルタイム。大宮の泉柊椰の突破からマイナスのクロスが入り、カプリーニが左足シュート。藤原は彼の前に立って防ごうとしたが、ゴールを割られ、2-2のドローで試合は終了する。大分は“勝点2”を逃す形になったのだ。

「ここで勝点3を取れていたら、上も見えてきていたし、今日は勝てる試合だった。そういうなかで勝てないのが今のチームのレベルだし、自分のレベルでもある。3枚の真ん中でやらせてもらっているなかで最後に失点してしまうのは僕の責任。自分はまだ二流だなと感じる。この大宮で勝ちたかったです」と、背番号34は心底、悔しがっていた。

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 自分が成長した姿を宇賀神氏ら埼玉の人たちに見せるというタスクも果たし切れなかった。藤原にしてみれば「いつか必ず浦和に戻って活躍する」というシナリオを描いているのだろうが、そのためには、こういう拮抗した試合で勝利に導けるCBになることが重要だ。片野坂監督の言う「卓越したリーダーシップ」を身につけたい。

「最後の時間帯はみんな焦ってたし、勝ちたいって気持ちが出ていた。でもあそこまで押し込まれてしまうと事故も起きる、守り切れるか、やられるかの確率は50%くらいだったと思います。やっぱり大事なのは、その前の段階でペナルティエリアに入れさせないこと。もっと前でプレッシングに行きたいし、下がらないようにしないといけない。それを周りに伝える自分の影響力がまだ足りない。絶対的な存在にならないといけないですね」
 
 藤原自身も語気を強めたように、指揮官の要求をしっかりと理解している様子。ゆえに、同じことを繰り返してはいけない。

 幸いにして大分はまだ今季1敗しかしていないし、ここから浮上できるチャンスはある。それをモノにすべく、藤原はさらなるレベルアップを図っていくことが肝要なのだ。今後の藤原の飛躍と大分の上位躍進を期待したいところだ。

取材・文●元川悦子(フリーライター)