侍ジャパンの井上温大(C)共同通信社

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「表に出すことは一生ない」

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 阪神の藤川球児監督(44)は昨5日に申請期間がスタートしたFAについて「貝」になると宣言した。

 そんな中、阪神の青柳晃洋(30)が今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦することが決定。2021年から2年連続で最多勝と最高勝率のタイトルを獲得した青柳は、22年には最優秀防御率を含む投手3冠を達成した。在阪の放送関係者がこう言う。

「今季は2勝に終わり、衰えが見えるのは確か。球団もだからこそポスティングを認めたのでしょうが、そうはいっても、2年前にはタイトルを総ナメにした2年連続開幕投手ですからね。流出はやっぱり痛手。国内FAでは、主砲の大山悠輔(29)、捕手の坂本誠志郎(30)らが権利を使うか熟考中。大山が行使すれば、調査を進めている巨人などが手を挙げる見込みです。球団幹部は『(条件は)行けるところまで行くつもり』と言うが、軒並み出て行かれたら、球児新政権はいきなりピンチに陥ります」

 そんな阪神の危機的状況に、対岸の火事と高みの見物を決め込めないのが巨人である。「主力の予備軍」がどっさり控えているからだ。

 すでに今オフの海外FA権行使を表明している15勝3敗の菅野智之(35)を筆頭に、来オフ以降はポスティングが条件ながら、主砲の岡本和真(28)、エースの戸郷翔征(24)、絶対的守護神の大勢(25)までメジャー志向を公言。10勝を挙げた山粼伊織(26)にもソノ気がある。ここに「新星」が加わりそうだから、さらに頭が痛い。

 5日に侍ジャパンで完全デビューを飾った巨人の井上温大(23)である。5年目左腕はこの日、国際大会「プレミア12」に向けて初実戦となる広島との練習試合に先発。三回には、先頭の仲田をスライダー、石原をフォーク、中村貴には直球と、全て違う球種で圧巻の3者連続空振り三振。二回の末包から4者連続三振をマークするなど、3回を投げて5三振を奪うパーフェクト投球を披露した。

「自分の持っている球種を全部投げて、ある程度コントロールできて、三振も何個か取れたので、自分の中ではいい調整ができた」と満足げに振り返った井上は、コンディション不良で出場を辞退した日本ハム・伊藤大海(27)の代役として追加で初招集されたが、さる巨人OBがこう眉をひそめる。

井上温大は今永に弟子入りを直訴

「昨年3月のWBCで世界一になった直後、戸郷が『今までもずっとメジャーへ行きたくてずっと夢。実際にアメリカに行って、よりそうなった』と言い、大勢まで『(メジャー志向が)芽生えた。正直、カッコ良かった。メジャーに呼ばれる投手になりたいと思った』と相次いで公言した。選手は『国際大会は海外を知れる醍醐味がある』と言う。国際大会で活躍した高揚感もあって『ボクもメジャーに挑戦したい』と堂々と宣言されるのが、巨人は怖い。菅野、岡本和、戸郷、大勢に山粼伊や井上までメジャー挑戦となれば、毎オフのように主力が順番待ちの列をつくることになりますから」

 別の球界関係者が話を引き取る。

「井上はカブスの今永昇太がDeNAに在籍していた22年オフに高卒3年目ながら自主トレで弟子入り。『ずっと憧れだった。左投手なら日本球界トップ』と面識のない今永に近づくため、侍ジャパンで今永とチームメートだった巨人の先輩・中川にダメ元で頼み込み、『一緒にやろう』と快諾してもらったそうです。当時の井上は課題を直球とスライダーの2つしかない球種の少なさと自己分析。今永の決め球のチェンジアップを教わりたいという確固たる狙いがあった。寝食をともにする中で、今永の武器でもある効率のいい投げ方でスピンを利かせる投法や、タンパク質の取り方など食事管理のアドバイスまでもらったそうです。貪欲さ、したたかさ、行動力があると、今永にも弟子として認められています」

 その今永“先生”はメジャー1年目の今季、いきなり15勝(3敗)を挙げて大ブレーク。井上は今でも師匠と連絡を取り合っているというから、感化されても不思議ではない。

 井上はプレミア12の初戦となる13日の豪州戦の先発が決まっている。「侍の左のエース」に名乗りを上げた井上の活躍を、巨人の関係者はヒヤヒヤしながら見守っている。

  ◇  ◇  ◇

 ところで、巨人といえば先月28日に来季組閣が発表されたが、ヘッド兼打撃チーフコーチに就く二岡智宏氏の評判はすこぶる悪かった。チーム内からは「選手が委縮している」などという声が上がっていたほどだ。いったいどういうことか。巨人で何が起きていたのか。

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