「理解できないミス」ジャッジの落球が生んだ悪夢 5-0からのまさかの敗戦をNY紙が酷評「才能ではなく技術が欠けている」

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平凡なフライを落としてしまったジャッジ。このワンプレーから流れは一変した。(C)Getty Images

 勝利ムードから一変。守備の綻びからヤンキースは崩れた。

 現地時間10月30日にワールドシリーズ第5戦が行われ、ヤンキースはドジャースに6-7と逆転負け。通算1勝4敗で2009年以来15年ぶりの戴冠とはならなかった。

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 崖っぷちの状況で押せ押せムードは続いた。前日に11-4と快勝していたヤンキースは、この日も序盤からドジャースを圧倒。初回に今シリーズで不振にあえいでいた主砲アーロン・ジャッジのワールドシリーズ初本塁打を放って2点を先行。その後も相手先発のジャック・フラハティを攻め立て、4回までに5点をリードした。

 本拠地という地の利もあり、完全に流れを掌握したヤンキース。だが、自分たちの守備の乱れが全てを台無しにした。5回に先頭のキケ・ヘルナンデスが右前安打で出塁すると、続くトミー・エドマンの平凡な中堅へのライナーをジャッジがまさかの落球。無死一、二塁でウィル・スミスの一打は遊撃へのゴロとなったが、今度は遊撃手のアンソニー・ボルピが三塁に悪送球(記録は失策)となって無死満塁となった。

 続くギャビン・ラックス、大谷翔平が2者連続三振に抑えた。あと一人だった。しかし、ムーキー・ベッツの一塁への平凡なゴロで先発右腕のゲリット・コールが一塁へのベースカバーを怠るまさかの失態。この内野安打で1点を失った。これで息を吹き返したドジャースは、続くフレディ・フリーマンの中前2点適時打、さらにテオスカー・ヘルナンデスの2点適時二塁打で一気に追いついた。

 ハイレベルな攻防戦を繰り広げながら、自分たちの失態で競り負けたヤンキース。まさかの展開に地元紙からは厳しい声が飛んだ。ニューヨークの日刊紙『New York Post』は「この惨敗はジャッジ時代のヤンキースの欠陥をすべて示している」と指摘。「結局のところ彼らには才能ではなく技術が欠けている」と批判した。

 さらに「この根本的な弱点は、『格下』相手に対しては克服できるが、難易度が増すと、ヤンキースは途端に崩れてしまう」と糾弾。「ジャッジの行く末は今のヤンキースの行く末でもある。彼の理解できないミスによってチームは崩壊した。この終わり方は残酷だが、ワールドシリーズに出場できるだけの才能を持ちながら、ヘビー級の力を持つ相手に勝つほど技術は持ち合わせていないという事実が示された」と嘆いた。

 まさかの失態によって勝利を逃したヤンキース。この敗戦によるダメージは計り知れない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]