北朝鮮に拉致される直前までの手帳発見…松本京子さん、47年前の最後に書かれた予定は「高島屋」
1977年に北朝鮮に拉致された鳥取県米子市出身の松本京子さん(当時29歳)の自宅で、京子さんが拉致される直前までつけていた同年の手帳が今月、見つかった。
旅行や買い物の予定が細かな字で書き込まれていたが、拉致されて以降は、空白のままだ。
京子さんの兄の孟(はじめ)さん(77)によると、手帳は自宅玄関横の棚の中にあった。京子さんの帰りを待ち続け、2012年に89歳で死去した母の三江さんの年金手帳などと一緒に、袋に入っていた。孟さんは「母が取っておいたのだろう」と推測する。
「休みの日には神戸へ出かけるなど、旅の好きな妹だった」と孟さんが言うように、1月13日は「休み 高松へ」、同16日は「松江 城山等」と記されている。6月20日の「結婚式」の前日には「美容院」と書かれ、人と会う約束も出てくる。
京子さんは47年前の10月21日、「編み物教室へ行く」と言い残して行方不明になり、2006年に拉致認定された。手帳の予定はこの月の31日、「高島屋」を最後に記入が途絶えた。
孟さんは「自筆で残っているものはほとんどなく、懐かしい字だ」と思いをはせる。長引く拉致問題に「被害者家族は高齢になり、時間がない。一日も早い解決を」と訴える。