左肩亜脱臼の大谷翔平、WS第5戦も「1番・DH」で強行出場 松井秀喜氏の前で復活弾&世界一なるか
◆米大リーグ ワールドシリーズ第5戦 ヤンキース―ドジャース(30日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、ワールドシリーズ(WS)第5戦、敵地・ヤンキース戦の先発メンバーに「1番・DH」で先発出場する。26日(同27日)の第2戦で左肩を亜脱臼しながら、3日連続の“強行出場”となる。チームは4年ぶりの世界一に王手をかけており、歓喜の瞬間が訪れる可能性がある。
手負いの大谷は前日の第4戦で“復活”の兆しを見せた。初回先頭の第1球でフルスイング。もちろん万全ではないが、ファウルなどの際に顔をしかめていた第3戦から明らかに強度が上がった。3回には詰まりながら飛距離380フィート(約115・8メートル)の中飛。5回には無死一塁でT・ヒルの初球をはじき返して中前打。第1戦以来13打席ぶりの安打をマークした。続くベッツの遊ゴロでは再発防止のため左手でユニホームの首元をつかみながら、二塁へ懸命なスライディングも見せた。
打席間はグラウンドコートを着用。黒いサポーターのような温める器具で左肩を冷やさないように注意を払っていることは変わらないが、凡退してベンチに戻る際などは軽く腕を振って走っていた。ロバーツ監督も「何度も聞いたが、(肩の状態はスイングの)妨げではないようだ」と説明した。第2戦で7回に盗塁を試みた時にスライディングで左手を地面に強くついた影響で左肩を負傷。だが、驚異の回復力で次戦に期待を持たせる内容だった。
ドジャースは第4戦で敗れ、43年ぶりのヤンキースとの頂上決戦で4連勝はならず。しかし、3勝1敗で2020年以来の世界一に依然として王手をかけている。過去のWSで開幕3連勝した24チームは全て勝利しており、しかも5戦目以内に決めている。データ上は第5戦で決まる確率は100%という状況だ。
WSという大舞台で大谷に本塁打が生まれれば、この日始球式を務める09年の松井秀喜氏(ヤンキース)以来、日本人2人目の快挙となる。本人の目の前で復活アーチはなるか。今季は残り最大でも3試合。ラスト2試合は本拠地・ロサンゼルスで行われるが、その前に一日でも早く決める。両軍のスタメンは以下の通り。
【ドジャース】(先攻)
1(指)大谷翔平、2(右)ベッツ、3(一)フリーマン、4(左)T・ヘルナンデス、5(三)マンシー、6(中)E・ヘルナンデス、7(遊)エドマン、8(捕)スミス、9(二)ラックス、投・フラーティ=右
【ヤンキース】(後攻)
1(二)トーレス、2(右)ソト、3(中)ジャッジ、4(三)チザム、5(指)スタントン、6(一)リゾ、7(遊)ボルピ、8(捕)ウェルズ、9(左)バードゥーゴ、投・コール=右