ニュースサイトのワシントン・ポストが、Xにある議会関係者のアカウントの調査を行い、ここ1年で、民主党議員の投稿が2000万回以上閲覧される機会はまったく増えていない一方で、共和党議員のバズり投稿が大きく増加していると報告しています。

On Elon Musk’s X, Republican tweets go viral as Democrats disappear - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/technology/2024/10/29/elon-musk-x-republican-democrat-twitter-election/



WaPo Obliviously Admits Conservatives Are More Popular Than Liberals Online | The Daily Caller

https://dailycaller.com/2024/10/29/washington-post-analysis-twitter-elon-musk-democrat-republican-censorship/

ワシントン・ポストは、Xの上院議員・下院議員・議会委員会のアカウントトップ100を対象にここ数カ月の動向をチェック。全体的な閲覧数が減少傾向にあることから、Xはプラットフォームとして政治的影響力や有用性が低下していると分析しています。

また、Twitter時代に比べてXになってからは注目を集めるのが難しくなっている中で、民主党議員に比べて共和党議員の方がバズりやすい状況があるとも報告しています。

具体的には、2023年下半期に2000万ビュー以上に達した投稿は民主党議員のものが8件、共和党議員のものが5件だったのに対して、2024年上半期になると、民主党議員のバズり投稿が3件へと減少したのに対して共和党議員のバズり投稿は19件に増加。2024年7月から10月の直近では、民主党議員のバズり投稿が6件だったのに対して、共和党議員のバズり投稿は29件だったとのこと。

最もバズったのは、共和党のジム・ジョーダン下院議員による「民主党の統治するフィラデルフィアは安全ではない」という投稿で、1億1000万ビューを記録しています。なお、投稿に用いられた動画そのものはジョーダン議員が撮影したものではなく、犯罪関連コンサルタントのDapper Detective(@Dapper_Det)が投稿したものです。



ジョーダン議員は「オハイオ州のアヒルや猫を守りましょう!」という投稿でも8700万ビューを記録してます。この投稿は、トランプ氏がテレビ討論会で発した「オハイオ州でハイチからの移民が犬や猫を食べていた」という根拠のない発言に乗っかったものです。



フォロワー数についての調査でも、共和党議員が数を伸ばした一方、民主党議員はテキサス州のコリン・オールレッド上院議員が3万5000人のフォロワーを獲得したほかは、目立った増加はなかったとのことです。

Colin Allred(@ColinAllredTX)さん / X

https://x.com/ColinAllredTX



ニュースサイトのDaily Callerは、「ワシントン・ポストの記事はXのオーナーであるイーロン・マスク氏が共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏と懇意であることから、ライバルにあたる民主党に対する規制を行っていることを示唆するもの」とまとめつつ、「保守派の関心が高まっているのは、かつてTwitterを運営していたリベラル派が、マスク氏による買収後追い出されてしまったからという考察が抜けている」と指摘。さらに、「ワシントン・ポストの『シュガーダディ(パパ活のパパ)』たるジェフ・ベゾス氏がマスク氏に不満を抱いていて、スタッフはマスク氏を攻撃する義務があると思い込んでいるのでは」とも述べています。

なお、「ベゾス氏が共和党支持者のマスク氏に不満を抱いている」という部分はあくまでDaily Callerの推測で、ベゾス氏が共和党およびマスク氏のことをどう思っているのかは定かではありません。

ベゾス氏については、伝統的に民主党候補を支持してきたワシントン・ポストに対して、民主党大統領候補であるカマラ・ハリス氏を支持する記事を掲載しないように働きかけていたことが暴露されています。この一件で、ワシントン・ポストの購読をやめる人が続出しているとのことです。

Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏が自身がオーナーを務めるワシントン・ポストにカマラ・ハリス氏支持の記事を掲載しないよう働きかけていたことが暴露される - GIGAZINE



by Victoria Pickering