© 2024 20th Century Studios.

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今から300年後、地球の人類は野生化し、エイプ(猿)たちが支配者として君臨する──。映画『猿の惑星/キングダム』は、映画史に残る“神話的名作”シリーズ『猿の惑星』の新章だ。前作『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(2017)を含む過去作から独立した、まったく新しい物語である。

10月30日(水)にリリースされるブルーレイ+DVDセット、4K UHD+ブルーレイセットには、本作が『猿の惑星』のレガシーと最新技術をいかに駆使したかを明らかにするメイキング映像と、泣く泣く本編からカットされた未公開シーンを収録。映画をよりディープに、新しい角度から楽しむことができる。

物語の主人公は、鷹を狩って生活するイーグル族の若きエイプのノア。ある日、王国の独裁者プロキシマス・シーザーによって村を焼かれ、父を殺され、仲間たちを誘拐されたノアは、人間の女性ノヴァ(メイ)と出会う。退化した人間たちのなかで知性をもつノヴァは、プロキシマスの居所を知っていた。ノアとノヴァは、恐ろしいプロキシマスの支配に立ち向かうべく、その本拠地に向かうが……。

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エイプの動きを頭脳と肉体で学ぶ……徹底した役作り

ノア役に起用された新鋭オーウェン・ティーグは、7歳のころにピーター・ジャクソン監督「キング・コング」(2005)を母親と映画館で鑑賞し、コングの映像表現に感銘を受けた。この映画でコングを演じていたのが、のちに『猿の惑星』3部作でシーザー役を演じることになるアンディ・サーキス。コングの演技がパフォーマンス・キャプチャーであることを知ってから、ティーグは「いずれ自分もやってみたい」と夢見ていたという(※1)。

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特筆すべきは、そんなティーグたち出演者が「エイプ」への変化を遂げるために実施された「エイプ・スクール」だ。撮影開始前、俳優陣はムーブメント・コーチのアレイン・ゴーチエによる6週間のトレーニングに参加。人間とエイプの骨格の違いを解剖学的に理解し、実際のエイプがいる環境にも入っていき、エイプの動きを頭脳と肉体の両方で学んだ。即興でエイプを演じ、お互いにフィードバックを繰り返すことで、俳優同士の信頼関係も生まれていったという。

ブルーレイに収録のメイキング映像では、ティーグやプロキシマス役のケヴィン・デュランドらが、松葉杖を使うことでエイプの動きを再現し、演技の試行錯誤を繰り返している様子や、実際に撮影現場でエイプを演じる姿などが収められている。ノアやプロキシマスが見せる自然な身のこなしが、CGによって生み出されたものではなく、ティーグやデュランドの細やかな演技によるものであることが一目瞭然だ。

ゴーチエは「まず肉体的フォーマットをマスターし、その上で演者自身の性格をキャラクターにしみ込ませることに取り組みました。役者本人の観察力と寛大さが求められる作業です」と説明する。「私に求められたのは、彼らが望む通りの見事なキャラクターとなるよう、正しい方向に導いていくことでした」。

「エイプ・スクール」におけるもう一人のキーパーソンが、『猿の惑星』3部作でシーザー役を演じてきたアンディ・サーキスだ。「ロード・オブ・ザ・リング」3部作でゴラム役を演じて以来、パフォーマンス・キャプチャーの第一人者として活動してきたサーキスは、本作に“特別コンサルタント”として参加している。

サーキスの役目は、エイプを演じる俳優たちにパフォーマンス・キャプチャーのコーチをすること。ノア役のティーグとは事前に話し合ったほか(※2)、メイキング映像でも見られるように、スタジオとZoomをつないで演技のコツを伝え、役づくりにも助言を与えている。パフォーマンス・キャプチャーの装備を身につけた役者たちは、アンディの出すお題に沿うかたちで演技に挑み、エイプになった姿を確認しながら微調整を重ねていったそうだ。

あるインタビューのなかで、ティーグはサーキスを「僕たち猿のゴッドファーザー」と呼んでいる(※3)。「アンディに、“これは演技だから、いつもと同じように取り組むように”と言われました。何も変わらないから、猿のコスチュームを着て普段通りの仕事をしろと。その言葉が聞けて本当によかったです」(※2)。

© 2024 20th Century Studios. 壮大な映像に隠された、ハイテクとアナログの融合

パフォーマンス・キャプチャーを担当したのは、前3部作に続いての参加となったWETAデジタル。専用のスーツには無数のドットがあり、俳優は顔にいくつもの点を付け、さらに表情を撮るフェイス・カメラを頭部に装着しながら演技に臨んだ。従来はカメラ1台を装着していたが、本作からは2台1組のカメラが採用され、顔の奥行きや演技のニュアンスをより正確に捉えられるようになったという。

メイキングのなかで出演者たちは、それほどの装備が必要であるにもかかわらず、「すぐに気にならなくなった」と話す。その背景にはきっと、ゴーチエやサーキスによる細やかな導きと助言があったのだろう。そして、監督ウェス・ボールのこだわりも。

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ハリウッドの大作映画といえば、通常はグリーンバックや巨大LEDスクリーンを使用して撮影が実施されることが多い。しかし、ボール監督は「実在しない世界に誘う映画だからこそ」リアルな映像を目指し、実際のロケ撮影や、実物の小道具にもできるかぎりこだわった。なんと、自然光のなかでパフォーマンス・キャプチャーを実施したのは本作が初めてだという。

たとえば映画の序盤、故郷を襲われたノアが炎の上がる村を見つめる場面も、グリーンバックではなく実際のロケーションのなかで燃える村を演出。演じるティーグは本番のカメラが回るまでその光景を自分に見せないよう頼むことで、撮影では“ノアとして”目の前で起きていることに自然に反応できたという。メイキングには、本編用に映像が加工される以前、ティーグが自らの姿で演じている様子も収録されている。

いかにテクノロジーが進歩しても、映画の根幹にはアナログで地道な作業がなければならない──『猿の惑星/キングダム』の映画づくりには、そんな創作に対する思想がまるごと乗っかっているようだ。俳優たちはエイプの肉体と心を自らのものとし、スタッフは彼らがリアルに反応できる環境をつくりだし、それらがデジタルと融合することで本作は誕生した。壮大かつエモーショナルなストーリーに秘められた大いなる創意工夫を、本編とブルーレイ収録のボーナス・コンテンツの両面からじっくりと堪能してほしい。

『猿の惑星/キングダム』は2024年10月30日ブルーレイ+DVDセット、4K UHD+ブルーレイ セット発売。

『猿の惑星/キングダム』
10月30日 ブルーレイ+DVD セット、4K UHD+ブルーレイ セット発売
発売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン
発売・販売元:ハピネット・メディアマーケティング
デジタル配信中(購入/レンタル)
発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン
© 2024 20th Century Studios

Supported by ウォルト・ディズニー・ジャパン/ハピネット・メディアマーケティング
参考:※1: , ※2: , ※3: