朝夏まなと新境地開拓中…11・16開幕の舞台「ロボット」で社長夫人役
元宙組トップスターで女優の朝夏まなとは、東京・シアタートラムで上演される舞台「ロボット」(11月16日〜12月1日、ノゾエ征爾演出)への出演を控える。客席数225席の小劇場。緊密な空間に「舞台と客席が驚くほど近く感じられるここに、一度出てみたいと思っていました」
「ロボット」は、ノーベル文学賞候補にもなったチェコの国民的作家カレル・チャペックの代表作。人間が便利さを求めて生み出したロボット。文明の発展と人との“共存”の在り方について考えさせる。1920年発表の戯曲だが示唆に富み、未来を予言していたような内容だ。
朝夏はこのロボット会社の社長夫人役。しっかりした道徳観を持った女性だ。ストレートプレーで歌を封印。「ときどき歌いたくなる衝動に駆られますが、今回は私なりにとことんお芝居に徹する時間にしたいです」
宝塚を卒業して7年。安定した実力と人気で、舞台中心に絶え間なく主演級の役を託されてきた。今年はTBS系日曜劇場「アンチヒーロー」に保護犬施設長役での出演もあった。ドラマは初めてではないが、収録現場で得たものは大きかった。「出演の方々は、さまざまな細かい要求に瞬時に柔軟に対応されていく。その空間にいられたことがとても刺激的でした」。
臨機応変さに圧倒されると同時に「映像の世界をもっと知りたい」と思うようにもなった。「舞台時とはまた違う集中力。ドラマへの参加は、その後の舞台にも生きていて、無意識に以前より役を深く見つめられるようになったと感じます」。11月の舞台でも新しい経験を通し、感性を研ぎ澄ませていく。(内野 小百美)