フレンチの谷昇シェフ流「伝統的な仏の煮込み料理」に挑戦!え、ルウもケチャップもソースも使わない!?

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管理栄養士のともゆみです。NHKの朝の情報番組『あさイチ』を見ていたら、フランス料理の巨匠・谷昇シェフが出演していて、「ブフ・ミロトン」という伝統的なフランスの煮込み料理を作っていました。材料は牛肉と玉ねぎだけ、調味料もとてもシンプルですが、牛肉と玉ねぎの旨味が凝縮された奥深さを味わえるそう。米から作る本格的なバターライスと合わせます♪

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教えてくれたのは、フランス料理のレストラン「ル・マンジュ・トゥー」のオーナーシェフ、谷昇さん。「ブフ・ミロトン」は、伝統的なフランス料理で、従来はポトフなどで残った牛肉と野菜を再利用する料理だったそう。ハッシュドビーフの原型とも言われています。
材料が牛肉と玉ねぎだけで、調味料もシンプル。ルウだけでなくケチャップやソースも使わないで、ハッシュドビーフのような深い色と味わいを出せるのでしょうか?

「ブフ・ミロトン」に挑戦してみた!

ブフ・ミロトン

【材料】(2人分)

牛もも肉(切り落とし)…200g
玉ねぎ(薄切り)…150g
無塩バター…10g
白ワイン…150ml
洋風固形スープの素…1/2個
小麦粉…5g
塩…2g
オリーブオイル…小さじ1

※テレビでは4人分で紹介していましたが、今回は2人分で作ってみました。材料はすべて1/2量にしてあります。



【作り方】
1. 牛肉は大きければ食べやすい大きさに切り、塩を揉み込みます。オリーブオイルをまぶし、肉をほぐしておきます。



2. フライパンにバター、玉ねぎ、水100ml(分量外)を入れ、中火で煮立たせます。ときどき混ぜながら水分がなくなるまで中火のまま約10分煮ます。今回は5分で水分がなくなりました。



3. さらにフライパンの底や縁をこそげ取りながら、玉ねぎが茶色くなるまで5分ほど炒めます。



4. 白ワインを50ml加え、焦げをこそげ取りながら水分が減るまで中火で炒めます。これを3回繰り返します。



5. 洋風固形スープの素、水300ml(分量外)を加え、スープの素が溶けるまで煮ます。



6. 別のフライパンにオリーブオイル(分量外)を入れ、中火にします。温まったら、牛肉を入れて中火で3分間、焼き付けるようにしっかりと炒め、小麦粉を加えて炒め合わせます。



7. 5に6を加えてフタをし、中火で20分以上煮ます。今回は20分煮たところで水分がほとんどなくなってきたので、そこで火を止めました。ブフ・ミロトンが完成ですかね?





バターライス

【材料】
無塩バター…45g
米(洗わない)…150g
水…225ml
塩…1g



【作り方】
1. 鍋にバターを溶かし、米を入れ、弱火で透明感が出るまで炒めます。



2. 水を加えて軽く混ぜながら中火で沸騰させます。フタをして弱めの中火で10分炊きます。



3. 塩を加えて軽く混ぜ、再びフタをしてとろ火で10分炊きます。



4. 全体を軽く混ぜ、フタをして10分蒸らします。



盛り付け

皿にバターライスを盛り付け、7のブフ・ミロトンをかけて出来上がりです。



奥深い味わいですごくおいしい。バターライスも本格的!

これだけシンプルな材料なのに、深い味わいでとてもおいしいです。もうほぼハッシュドビーフですね。飴色に炒めあげた玉ねぎのコクのある甘さとビターの効いた香ばしさ、説明し切れない複雑さがありますね。バターライスは一口ごとに芳醇なバターの香りが口いっぱいに広がり、上にかけた具とマッチしてワンランク上の一皿になっています。

牛肉の栄養素

牛肉は体づくりに欠かせないたんぱく質が豊富に含まれていて、健康な筋肉や皮膚、血液や内臓などをつくります。9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるので、エネルギー代謝を高めます。他に体への吸収率が高いヘム鉄、貧血や冷え性の改善に作用するビタミンB12なども豊富です。鉄の吸収を助けるビタミンCを一緒に摂ると貧血予防に役立ちます。ビタミンCの多い野菜はブロッコリーや菜の花など多くの野菜に含まれています。


最初は、玉ねぎと牛肉だけで、ハッシュドビーフのようになるのだろうかと思いましたが、玉ねぎを炒めて白ワインを加えて煮るという作業を繰り返して、どんどん色が濃くなって飴色の艶やかな玉ねぎが出来ました。玉ねぎと白ワインの旨味がとことん凝縮されて、深みのある料理を楽しめました。バターライスはバターの量の多さにびっくりしましたが、大胆に使うことでフレンチレストランの味になりましたよ。一度試してみてはいかがでしょうか。


参考文献:
一生役立つ きちんとわかる栄養学 監修 飯田薫子 寺本あい 西東社
最新改訂版 知っておきたい栄養学 監修 白鳥早奈英 学研プラス