JBLの新たなスピーカーシステムは、リーズナブルで音質も文句なし
JBLから最近登場したMA AVレシーバーと「Stage 2」シリーズ。手ごろな値段、設置のしやすさに加え、機能も優れていて魅力的なシリーズです。
今回、スピーカーが苦手そうな音質の再生テストもしてみましたが、とても満足の行く結果でした。
JBLのイベントでお試ししてきた
今回、ニューヨーク マンハッタンのRepublic Studioで開催されたイベントで、施設内のいくつかの部屋を回りながら、さまざまなスピーカーセットを体験することができました。5つのAVレシーバーと9つのラウドスピーカーの新モデルが発表されたのですが、MA AVレシーバーの価格帯は400ドル(約6万円)から1,600ドル(約24万円)、JBL Stage 2スピーカーはペアで300ドル(約4万5千円)から1,200ドル(約18万円)で展開されています。
さまざまな価格帯のスピーカーセットを体験するリスニングパーティー(のようなもの)を体験しました。
セット内容は、基本的なブックシェルフラウドスピーカー(250B)とAVレシーバーのセットで1,000ドル(約15万円)のものから、フル機能の3,500ドル(約53万円)の5.1.2サラウンドサウンドシステムまでさまざま。
後者のフル機能システムは、センターチャンネルラウドスピーカー(245C)1台、フロアスタンディングラウドスピーカー(260F)2台、ブックシェルフスピーカー(250B)2台、Dolby Atmos対応のモジュールラウドスピーカー(240H)2台、サブウーファー(220P)、そしてもちろんAVレシーバー(MA710)の布陣です。
この一見豪華で、圧倒的に複雑そうなセットは、簡単に調整できる方法がいくつかあります。フロアスタンディングスピーカーか、ブックシェルフスピーカー、どちらかを外して、3.1.2セットにしても良いし、Dolby Atmosを外して5.1にすることも可能です。さらに7.1.2や9.1.2のセットに拡張することもできるので、カスタマイズの幅も広がります。
JBL 「Stage 2」シリーズの特徴の1つはカスタマイズ幅の広さですが、これはJBLのスピーカーに限った話ではなく、他社のサラウンドサウンドスピーカーシステムも、拡張したり縮小したりすることが可能です。
ただし、完全な5.1ch セットが3,500ドル(約53万円)という価格帯は魅力的。もちろん、似たようなセットを2000ドル(約30万円)で実現することも可能ですが、スピーカーブランドが提供するシステムは、だいたい4,000ドル(60万円)から6,000ドル(約90万円)の範囲で価格が設定されています。
AVレシーバーも使いやすい
AVレシーバーも操作が簡単です。フロントパネルに2つのダイヤル(インプットとボリューム)と、6インチのディスプレイがあり、ディスプレイには再生中のコンテンツの情報が表示されていますが、映画を見るときなど、部屋を真っ暗にしたい場合は、ボタンを押してディスプレイをオフにできます。
また、よくあるAVレシーバーの重くて大きいプラスチックのリモコンとは違い、シンプルで普通のテレビ用に近いデザインのリモコンが付属します。AVレシーバーの下部にあるLEDライトがあって、カスタマイズできるところが気に入りました。ただしこのLEDは、音楽と同期するような機能はありません。
さらに2種類展開しているカラバリも良い感じ。「エスプレッソ」は深みのあるブラウン、「ラテ」は輝くホワイト。普通はブラック一択なAVレシーバーなのに新鮮でした。JBLによれば、ホワイトはPS5に合わせるためだそうで、JBLの調査によれば、PS5はアメリカのTVスタンドの中でも、最も人気のあるゲームコンソールとのことです。
トラックの再生テストも良い感じ
デモがひと通り終わると、好きな曲を再生させてもらう機会がありました。
私は最近ずっと聴いているKhamaajの「Jab Se Tu Ne」を選曲、曲の冒頭でベースギターを鮮やかに切り裂いていくアルサラン・シャーの声に感動しました。高音域はクリアで明るく響き、薄っぺらい音ではありません。オーケストラは空間的な広がりも感じられ、奥行きもありました。もっと「音像定位(オーケストラの楽器の配置や位置が明確にわかること)」が感じられれば良かったのにとは思いましたが、それはデモに使われた2.1スピーカーシステムが控えめだったからだと思います。
曲のコーラス部分では力強い低域が響くのですが、低域がぐちゃぐちゃしてしまうんじゃないかと少し不安でしたが、正確にコントロールされつつも力強い低域が流れて安心しました。JBLのStage 2シリーズスピーカーは、この曲を見事に再現できていて、その場にいた人たちが、アーティストについて質問してくるほどでした。
ターンテーブルとの連携アプリも良かった
数カ月前に、JBLの初のBluetooth対応ターンテーブル「JBL Spinner」をレビューしましたが、その使いやすさに感動しました。ターンテーブル初心者にとっても、シンプルなユーザーインターフェースがありがたくて、数分で完全に組み立てることができました。
連携アプリ「EZ Set EQ」では、ARを使用したキャリブレーション機能を提供していて、部屋をスキャンして、各スピーカーの最適な配置場所について教えてくれます。実際に試すことはできませんでしたが、JBLによれば各スピーカーの設定には約5分、5.1.2システム全体では合計で25分かかるとのことでした。
今回のJBLの新しいMA AVレシーバーとStage 2ラウドスピーカーの5.1.2スピーカーセットアップは、理想的なホームシアターを構築するための多くの選択肢を提供してくれるものだと思いました。