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 犯罪社会学者の廣末登氏が23日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・00)で、首都圏を中心に相次いでいる闇バイト強盗についてコメントした。

 連続強盗事件を受け、警視庁と埼玉、千葉、神奈川の3県警は合同捜査本部を設置。8月以降に発生した1都3県の計14事件を重点的に調べている。一部事件で指示役の通信アプリのアカウント名が共通しており、同一グループが複数のアカウント名を使い分けながら実行役とやりとりしている可能性もあるとみている。情報共有を進めて指示役を特定し、全容解明を急いでいる。

 一連の事件は、未明の時間帯に窓ガラスなどを割って複数人で押し入り、住人を縛って金品を奪うといった手口が類似。現場周辺では、リフォームの飛び込み営業の他、家屋の修繕や塗装の業者を名乗る不審な人物らの訪問を受けたという声が聞かれた。資産状況の下見だった可能性もある。

 闇バイトに応募して集められた者が実行役とされ、交流サイト(SNS)などでつながる「匿名・流動型犯罪グループ」が関与しているとみられる。現場ごとに離合集散する「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」が特徴。

 実行役による事件は首都圏を中心に連鎖。地方に広がりつつあり、警察庁は、闇バイトなどを通じて加担しようとしている実行役に「勇気を持って抜け出し、すぐに警察に相談を」と呼びかける動画をX(旧ツイッター)に投稿した。指示役らに脅迫されたとしても「警察は相談を受けたあなたや、ご家族を確実に保護します」と呼びかけた。闇バイトに応募すると、運転免許証などを送って個人情報を犯人グループに知られ、自身や家族に危害を加えると脅された挙げ句、犯罪に加担するケースが目立つ。

 廣末氏は、被害が地方に広がってきた要因について「一連の事件が報道され住民が警戒、警察の見回りが増加していることから、今後は地方に流れる可能性が大」とコメントした。