22日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比17.76ポイント(0.54%)高の3285.87ポイントと3日続伸した。
 前日までの好地合いを継ぐ流れ。金融緩和や株価対策など、当局の支援策が引き続き支えになっている。市場支援策では、中国人民銀行(中央銀行)が先ごろ、上場企業の自社株買い、大株主による上場企業株の買い増しを支援する再融資制度を創設。ほか、証券会社、ファンド、保険会社が株式を購入するため、人民銀から流動性を引き出せるようにするスワップ制度「SFISF」の正式始動を公表した。自社株買いでは、すでに20日までに少なくともA株企業23社が同制度の活用を発表。SFISFの初回オペでは、証券会社など20社が21日、計500億人民元(約1兆600億円)規模の資産交換に応札した。
 ただ、上値は限定的。本土・香港マーケットで1〜9月期決算の発表がスタートする中、企業業績の動向を見極めたいとするスタンスが強まっている。米長期金利の上昇も逆風。昨夜の米債券市場で米10年債利回りの上昇が加速し、7月下旬以来、約3カ月ぶりの高い水準を付けている。中国本土からの資金流出も機会された。指数は安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、消費関連の上げが目立つ。スーパーの永輝超市(601933/SH)と家電の四川長虹電器(600839/SH)がそろってストツプ(10.0%)高、自動車の安徽江淮汽車集団(600418/SH)が6.3%高、家具の欧派家居(603833/SH)が5.6%高、家庭用品の喜臨門家具(603008/SH)が5.2%高、酒造の舎得酒業(600702/SH)が4.9%高で引けた。
 重電や発電の電力株も物色される。上海電気集団(601727/SH)がストツプ(10.0%)高、東方電気(600875/SH)が3.4%高、国電南瑞科技(600406/SH)が3.1%高、大唐国際発電(601991/SH)が5.4%高、華能国際電力(600011/SH)が4.4%高、国電電力発展(600795/SH)が3.8%高で取引を終えた。重電グループ大手の上海電気集団については、親会社からファナック(6954/東証)との合弁会社(産業用ロボット事業)を買収すると発表したことも引き続き材料視されている。インフラ建設株、資源株、医薬株、不動産株、証券株なども買われた。
 半面、ハイテク株の一角はさえない。薄膜コンデンサー中国最大手の廈門法拉電子(600563/SH)が5.0%、フィンテック大手の恒生電子(600570/SH)が3.2%、半導体封止・検査の江蘇長電科技(600584/SH)が2.4%、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が2.0%ずつ下落した。銀行株、軍事関連株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.79ポイント(0.29%)高の273.09ポイント、深センB株指数が15.46ポイント(1.25%)高の1253.42ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)