22日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比107.05ポイント(0.52%)高の20585.51ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が53.08ポイント(0.72%)高の7393.64ポイントと反発した。売買代金は901億8530万香港ドルとなっている(21日前場は1072億6010万香港ドル)。
 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。今年の経済成長目標(5.0%前後)を達成するため、中国当局は財政出動など追加の刺激策を打ち出すとの見方が根強い状況だ。当局はこれまでにも、金融緩和や株価対策など支援策を矢継ぎ早に打ち出している。
 ただ、上値は限定的。本土・香港マーケットで1〜9月期決算の発表がスタートする中、企業業績の動向を見極めたいとするスタンスが強まっている。米長期金利の上昇も逆風。昨夜の米債券市場で米10年債利回りの上昇が加速し、7月下旬以来、約3カ月ぶりの高い水準を付けている。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の上昇も懸念された。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が7.7%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が7.4%高、中国政府系の華潤電力HD(836/HK)が4.5%高と上げが目立った。理想汽車などEV関連については、一部アナリストが「直近の中国EV販売は予想を上回って伸びている」と指摘したことも好感されている。
 セクター別では、発電や設備の電力関連が高い。華潤電力のほか、華電国際電力(1071/HK)が6.2%、華能国際電力(902/HK)が4.8%、ハルビン電気(1133/HK)が5.7%、東方電気(1072/HK)が2.6%ずつ上昇した。
 中国の不動産セクターもしっかり。融創中国HD(1918/HK)が3.3%高、万科企業(2202/HK)が2.6%高、龍湖集団HD(960/HK)が2.3%高、世茂集団HD(813/HK)が2.2%高で引けた。
 半面、中国の保険セクターはさえない。新華人寿保険(1336/HK)が1.3%安、中国平安保険(2318/HK)が1.2%安、中国人民財産保険(2328/HK)が1.1%安、中国人民保険集団(1339/HK)が0.8%安で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.53%高の3285.49ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が高い。公益株、医薬株、インフラ関連株、資源株、不動産株なども買われた。半面、半導体株は安い。銀行・保険株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)