「もうじきたべられるぼく」表紙

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 食べられる運命を受け入れた子牛がふるさとの母に会いに行く姿を描いた、はせがわゆうじさん(66)の絵本「もうじきたべられるぼく」(中央公論新社)が、「泣ける絵本」として20万部を超えるベストセラーとなっている。

 絵本の世界をより多くの人に伝えようと、このほどテーマソングも配信リリースされた。

 同作は、はせがわさんがインターネット上で公開したのをきっかけに話題となり、2022年夏に絵本が刊行された。読者からは「感動した」といった声のほか、「命の大切さが伝わる」との声も寄せられ、今月末には24刷で累計25万部となる見込みだ。

 はせがわさんは「若い頃にトラックで運ばれる牛を見て、動物園の動物と同じ動物なのに……と切ない気持ちになったことから着想した。自分でも答えが出ていないことを描いているので、読んだ人がいろんなことを考え、自分とは違う意見もおおらかに受け止めてもらえたら」と話す。

 テーマソングは、NHK・Eテレのアニメ「はなかっぱ」の曲を手がけたシンガー・ソングライターの柿島伸次さん(58)が作・編曲。2歳で童謡歌手としてデビューした村方乃々佳ちゃん(6)と共に「かっきー&ののちゃん」として歌い、9月から配信されている。切ないメロディーと乃々佳ちゃんの澄んだ歌声が、絵本の世界をより深く伝える。

 「絵本は最後のところに感動した。気持ちを込めて歌ったので、いっぱい聴いてほしい」と乃々佳ちゃん。柿島さんも「絵本を読みながらなど、いろんな聴き方をしてみてほしい」と提案する。10月に乃々佳ちゃん、11月には柿島さんがそれぞれ歌うバージョンも配信される予定だ。

 アップルミュージックなど複数の音楽配信サービスのほか、中央公論新社の特設サイト(https://www.chuko.co.jp/special/moutabe/)でも聴くことができる。