なでしこジャパン(日本女子代表)のDF石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース)が21日、MIZUHO BLUE DREAM MATCH・韓国女子代表戦(26日・国立)に向けた合宿初日のトレーニング後、報道陣の取材に応じ、新生なでしこジャパンでのスタメン定着を誓った。

 2003年生まれの石川は弱冠21歳にして昨季のWEリーグベストイレブンを受賞した世代屈指のDF。昨夏の女子W杯では初戦ザンビア戦(○5-0)に先発出場し、鮮烈な世界デビューを果たすなど、未来のDFリーダー候補として期待されている。

 一方、今夏のパリ五輪では06年生まれの18歳DF古賀塔子の台頭もあり、当初はバックアップメンバーでの帯同。ルール変更によって1試合ごとの選手登録が可能になったのを受け、古賀が体調不良で欠場したグループリーグ第3戦ナイジェリア戦(○3-1)にフル出場し、ベスト8入りに貢献したが、熾烈な序列争いの岐路に立たされている状況だ。

 そうした中で迎えるパリ五輪後初の代表活動。石川は韓国戦に向けて「日本でできる特別な試合。チャンスがあれば自分のプレーを見せて、必要な選手だと思ってもらえるようにならないといけない。何かを得るというのも大事だけど、これからは先輩について行くだけじゃなく、もっと欲を出して、しっかりプレーしてスタメンを取れるように頑張りたい」と力強い決意を口にした。

「W杯や五輪を経験させてもらったからこその取り組みは自分にしかできないもの」という世界舞台の経験も糧に、WEリーグの戦いを通じても「海外の選手に戦うことにも備えて日頃から練習できている」と石川。最近は浦和の先輩からも教えを乞いつつ、ビルドアップのボールの置き所や、攻守のヘディングに重点を置いてトレーニングに励んでいるという。

 現在のなでしこジャパンのCB陣は熊谷紗希、南萌華(いずれもローマ)といった経験豊富な選手たちが立ちはだかるが、彼女たちからも学びながらポジション争いに臨んでいく構えだ。

「一緒にサッカーをしていて、今は全然2人に敵わない、足りないなというのをベンチで見ていても素直に負けているなと感じる。2人が出ているからこそ、安定した守備ができているのも素直に思う。そこが自分に足りないもの」

 そう冷静に受け止める21歳は「一緒にやれるからこそ、見て学んでいきたいし、それにプラスして自分にしかない武器を出していきたい」ときっぱり。「自分の長所はFWに対して強く行くところだったり、ガツンと行って取るところ。そこの部分で見てもらっていると思うので、そこは負けちゃいけない」と揺るがぬ持ち味にも目を向け、レギュラー奪取に挑む。

(取材・文 竹内達也)