「それが大きな間違いなんです」…橋下徹が明かす、立憲民主党が政権奪取できない「たった一つの理由」

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10月27日の総選挙で、日本人は自民党に「ある程度のお仕置き」をするだろうが、政権交代には至らないだろう。

なぜ、政治とカネであれほどの不信を生んだ自民党が、政権の座から転がり落ちることがないのか。

その理由を、もっともリアルに、もっともロジカルに、もっともドラスティックに解説するのが、維新の創始者・橋下徹氏だ。

選挙が近づくいま、橋下氏の『政権変容論』(講談社刊)を野党と国民が理解して受け入れたら、この国は確実に「良い方向」に変容するだろう。

『政権変容論』連載第41回

※この記事は選挙公示前(2024年7月19日)に発売された本からの転載です。

橋下徹「野党同士でバチバチにケンカしろ」…有権者に諦められた“日本の政治”を救うためにいま必要な“政治のダイナミズム”​』より続く

人が変わることが大事

-「自民はダメだが、野党もダメ」。その思いを国民に強く刷り込んだのは、二度目の政権交代を成した民主党政権だったかもしれません。

なぜ09年に民主党は政権交代を実現でき、なぜもろくも崩れ去ったのか。あの教訓を次に活かさないことには、次の政権交代も見えてきません。

実は当時、民主党の鳩山由紀夫さんと菅直人さんが発した言葉が印象的でした。政権交代が成し遂げられるポイントとして彼らが語っていたのが、「政策に関しては自民党と一緒でいい」ということでした。「むしろそのほうが有権者の警戒心は薄れる。重要なのは政策の違いじゃなくて、人が変わることだ。政治の中身は似ていても、人間さえ変われば腐敗は減る。それが何よりも大切なんだ」と。

橋下:え、それは鳩山さんがおっしゃっていたことですか?

-鳩山さんも、菅さんも、小沢一郎さんも、同じようなことを言っていましたよ。

同じ政策方針でもいい

当時の民主党は、「コンクリートから人へ」をスローガンに掲げ、自民党とのカラーの違いも打ち出していましたが、特に政権交代前はそこまで野党色というか、自民党との違いを打ち出してはいませんでした。それは政権が変わることで国民が警戒しないよう、過激性は排するという彼らなりの戦略だったんです。

橋下:そうでしたか。それは知りませんでしたし、意外でした。

僕はその意見に大いに賛成だからです。最近の野党が政権奪取できない理由の一番が、そこにあると見ています。

今の野党は、現政権との違いや自分たちの独自色を打ち出そうとしすぎている。彼らは現政権と違う方向性を示すことこそが野党の最大の存在意義であり、それを実現することこそが政権交代の目的だと思い込んでいます。

僕に言わせれば、それが大きな間違いなんです。

政権交代の一番の目的は、まさに今の鳩山さんや菅さんの言葉通り、国の方針を百八十度変えることではないんです。一番重要なことは「メンバーを入れ替える」こと。仮に同じ政策方針で国家運営を続けても、運営メンバーさえ変われば、前任者が陥っていた過ちも見つかるし、不祥事や問題点も明らかになる。改革も行いやすい。

橋下徹「何でもかんでも自民党の逆張りでいいと思い込むな」…「内輪もめ」で「自滅」を繰り返す立憲民主党に橋下徹が「忠告」』へ続く

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