[10.15 W杯最終予選 日本 1-1 オーストラリア 埼玉]

　臨時でキャプテンマークを巻き、日本代表をけん引したが、引き分けに終わった。MF守田英正は「ホームなので勝たないといけないと思う。簡単にはいかないとは思っていたものの、そこを目指してやっていたので。結果だけ見たら、ポジティブに捉えられるものではないかなと。ホームなので勝ちたかった」と悔しさをのぞかせた。

　体調不良で前日練習を欠席したキャプテンMF遠藤航がメンバー外になった。そのため守田がキャプテンマークを巻いた。ホームでの勝利を懸けて臨んだが、対するオーストラリアの守備的な5バックを打ち破れなかった。「相手のほうが僕たちを研究していたとおりにいい配置で、いい距離感のなかでボールを回せていた」。後半から攻勢を強めたオーストラリアの反撃を受け、後半13分に相手の右サイドのクロスをDF谷口彰悟がクリアしきれず、オウンゴールで失点を喫した。

　ここまで無失点で進んできたなかで、7試合ぶりの失点となった。オウンゴールという不運には「捉え方次第では事故」と飲み込み、課題を探った。

「あの形を作られていること自体が問題。そこはいい意味で誰が悪かったかというのは出さないといけない。それは彰悟さんだけじゃなくて、結局はセカンドを前向きに拾われて、そこからの失点だった。攻撃でちゃんとバランスが取れていないと、失った後にバランスが悪いなかで守備をしないといけない。それがオーストラリアだったからこれで済んだ。だけど、よりすごい相手だったらもっと失点してもおかしくなかった。守備と攻撃はセットなので、僕は攻撃の配置をもっと見返す必要があるのかなと思う」

　攻撃時、守田は3バックの中央に落ちながらビルドアップの円滑化を図った。そのなかで相手の動きに日本への対策を感じた。「配球の部分で中にパスを出せないところで、左右に振って前進できないような時間帯も多かった」。後半からはMF田中碧をサイドに出し、2シャドーを下ろしてビルドアップから組み立てた。左WBのMF三笘薫を生かそうとしたが、「途中から距離感もどんどん悪くなってきた。悪循環だった。試合全体を通してなかなかしたいサッカーはできなかった」と振り返った。

　チームを救った途中出場・中村敬斗の個の力には感謝。「途中からベンチから出てくる選手はすごく勢いを持ってチームにいい影響をもたらしてくれる」。厚い選手層を「そこが強み」と胸を張る守田は「いま出ている選手も安泰ではない。そこはいい相乗効果。お互い刺激できれば」とさらなる勢いを求めていた。

(取材・文　石川祐介)