15日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比774.08ポイント(3.67%)安の20318.79ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が1302.11ポイント(3.99%)安の7277.83ポイントと大幅続落した。売買代金は2612億8830万香港ドルとなっている(14日は2770億7330万香港ドル)。
 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。9月の中国物価統計や貿易統計が予想を下回る中、デフレや景気鈍化が懸念された。また、週末18日に各種の経済指標がまとめて公表されることも気がかり材料として意識されている(9月の小売売上高や鉱工業生産、第3四半期のGDP成長率など)。そのほか、「中国の超富裕層が海外投資で得た利益に対し、当局が徴税を開始したもよう」などと報じられたこともマイナスだ。課税対象となった富裕層には、香港や米国に上場する企業の大株主もいるという。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が12.9%安、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が8.8%安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が7.3%安と下げが目立った。
 セクター別では、消費関連が安い。華潤ビールや蒙牛のほか、百貨店チェーンの百盛商業集団(3368/HK)が14.2%、外食の九毛九国際HD(9922/HK)が9.6%、粉ミルクの中国飛鶴(6186/HK)が8.0%、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が7.9%ずつ下落した。
 中国の不動産セクターも急落。旭輝(884/HK)が12.6%安、融創中国HD(1918/HK)が12.0%安、広州富力地産(2777/HK)が10.7%安、合景泰富地産HD(1813/HK)が10.0%安で引けた。
 中国のネット関連も売られる。ライブコマースの東方甄選HD(1797/HK)が9.5%高、動画配信プラットフォームのビリビリ(9626/HK)が7.8%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が7.0%高で取引を終えた。ハンセン科技(テック)指数は4.7%安と他の指数をアンダーパフォームしている。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比2.53%安の3201.29ポイントで取引を終了した。エネルギー株が安い。消費関連株、金融株、公益株、素材株、インフラ関連株、医薬株なども売られた。半面、不動産株の一角は買われている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)