15日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比83.03ポイント(2.53%)安の3201.29ポイントと反落した。
 投資家心理が悪化する流れ。9月の中国物価統計や貿易統計が予想を下回る中、デフレや景気鈍化が懸念された。また、週末18日に各種の経済指標がまとめて公表されることも気がかり材料として意識されている(9月の小売売上高や鉱工業生産、第3四半期のGDP成長率など)。
 ただ、下値を叩くような売りはみられない。中国の景気刺激策に対する期待感が持続している。中国財政部の藍仏安・部長は12日の記者会見で、「財政赤字を拡大させる余地がある」と述べ、追加の財政出動で景気を下支えする方針を示した。市場関係者の間からは、10月末に開かれる全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の承認を待って、財政出動の規模など具体的な内容が明らかにされる可能性が指摘されている。こうした中、ゴールドマン・サックス(GS)は最新リポートで、中国の2024年、25年経済成長見通しを上方修正。GSは中国政策が打ち出した一連の景気刺激策について、当局が循環的な政策運営を転換し、経済重視のスタンスを強めていることを裏付けていると結論付けた。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、エネルギー関連の下げが目立つ。中国海洋石油(600938/SH)が4.0%安、中国石油天然気(601857/SH)が3.7%安、中国石油化工(600028/SH)が2.9%安、中国神華能源(601088/SH)が2.0%安で取引を終了した。原油安を嫌気。昨夜のWTI原油先物は2.3%安と続落した。世界輸出国機構(OPEC)が14日、世界の原油需要見通しを下方修正する中、先安観も強まっている。ほか、タンカーの招商局能源運輸(601872/SH)が5.7%安、中遠海運能源運輸(600026/SH)が4.0%安、原油掘削の中海油田服務(601808/SH)が3.5%安と値を下げた。
 消費関連株も安い。酒造の山西杏花村フェン酒(600809/SH)が4.6%、百貨店の王府井集団(600859/SH)が4.1%、宝飾品の老鳳祥(600612/SH)が3.5%、自動車の上海汽車集団(600104/SH)が3.2%、乳製品の内蒙古伊利実業集団(600887/SH)が3.1%、家具の欧派家居(603833/SH)が2.2%ずつ下落した。
 金融株もさえない。中国工商銀行(601398/SH)が3.2%安、中国銀行(601988/SH)が2.3%安、中国人民保険集団(601319/SH)が3.4%安、海通証券(600837/SH)が7.3%安で取引を終えている。公益株、素材株、インフラ関連株、医薬株なども売られた。
 半面、不動産株の一角は物色される。信達地産(600657/SH)がストップ(10.0%)高、万業企業(600641/SH)が4.7%高、保利発展控股集団(600048/SH)が1.3%高で引けた。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.20ポイント(0.80%)安の272.39ポイント、深センB株指数が14.24ポイント(1.16%)安の1212.16ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)