10日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比43.07ポイント(1.32%)高の3301.93ポイントと反発した。
 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。財政部は週末12日午前に記者会見を開き、財政政策によるカウンターシクリカル調整機能の強化、質の高い経済発展の促進について現状紹介と質疑応答を行う予定だ。8日に開かれた国家発展改革委員会幹部の会見では、市場が期待していた財政政策などに踏み込んだ発表がなかっただけに、今回の会見に期待がかかっている。会見内容については、中国人民銀行(中央銀行)系の専門紙がこのほど、「特別国債の増発が発表される可能性が高い」とする専門家の見解を伝えた。また、モルガン・スタンレーは最新リポートで、追加の財政出動は2兆人民元(約42兆円)規模になると予想している。そのほか、機関投資家の株式購入支援策もプラス。人民銀は10日、事前に表明した方針通り、証券会社、ファンド、保険会社が株式を購入するため人民銀から流動性を引き出せるようスワップ制度を設けると発表した。(亜州リサーチ編集部)
 石油・石炭や銀行・保険などの大型株が相場をけん引。中国石油化工(600028/SH)が4.6%高、中国石油天然気(601857/SH)が3.4%高、中国神華能源(601088/SH)が6.4%高、中国工商銀行(601398/SH)が3.8%高、中国農業銀行(601288/SH)が3.2%高、中国平安保険(601318/SH)が5.0%高で引けた。
 インフラ関連株も物色される。中でもゼネコンの中国交通建設(601800/SH)と中国鉄建(601186/SH)、中国中鉄(601390/SH)がストップ(1.0%)高した。消費関連株、素材株、運輸株なども買われている。
 このほか、取引再開した証券ブローカーの海通証券(600837/SH)と国泰君安証券(601211/SH)がそろってストップ(10.0%)高。両社は9日、共同で合併計画の詳細を発表した。株式交換を通じ、国泰君安が海通を吸収合併する。現地メディアによると、今回の合併により、中信証券(600030/SH)を超える中国最大の証券会社が誕生する見込みだ。
 半面、上記2銘柄を除く証券株は総じて安い。中信証券が8.6%、中信建投証券(601066/SH)が7.2%、招商証券(600999/SH)が6.5%、中国国際金融(601995/SH)が4.9%ずつ下落した。ハイテク株、医薬株、不動産株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が4.61ポイント(1.71%)高の273.67ポイント、深センB株指数が13.39ポイント(1.10%)高の1226.82ポイントで終了している。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)