10日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比871.13ポイント(4.22%)高の21508.37ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が362.88ポイント(4.93%)高の7728.47ポイントと3日ぶりに急反発した。売買代金は1771億4040万香港ドルとなっている(9日前場は2418億1450万香港ドル)。
 中国の追加経済対策に対する期待感が相場を押し上げる流れ。財政部は週末12日の午前10時(現地時間)に記者会見を開き、財政政策によるカウンターシクリカル調整機能の強化、質の高い経済発展の促進について現状紹介と質疑応答を行う予定だ。8日に開かれた国家発展改革委員会幹部の会見では、市場が期待していた財政政策などに踏み込んだ発表がなかっただけに、今回の会見に期待がかかっている。モルガン・スタンレーは最新リポートで、追加の財政出動は2兆人民元(約42兆円)規模になると予想した。また、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まる中、昨夜の米株市場で、主要指標のNYダウが3日ぶりに史上最高値を更新したことも好感されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が10.5%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が9.5%高、火鍋チェーン中国最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が8.9%高と上げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が高い。龍湖集団のほか、融創中国HD(1918/HK)が20.0%、合景泰富地産(1813/HK)が15.2%、中国奥園集団(3883/HK)が13.9%、遠洋集団HD(3377/HK)が13.4%ずつ上昇した。
 自動車セクターも急伸。吉利汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が9.2%高、北京汽車(1958/HK)が7.4%高、長城汽車(2333/HK)が7.0%高で引けた。
 中国の金融セクターもしっかり。招商銀行(3968/HK)が5.8%高、中国建設銀行(939/HK)が5.4%高、新華人寿保険(1336/HK)が15.2%高、中国平安保険(2318/HK)が7.9%高、国聯証券(1456/HK)が8.3%高、中州証券(1375/HK)が6.3%高で前場取引を終えた。
 ゼネコンやエンジニアリングなどインフラ建設セクターも物色される。中国鉄建(1186/HK)が15.2%高、中国交通建設(1800/HK)が12.4%高、中国中鉄(390/HK)が12.1%高、中リョ国際工程(2068/HK)が37.0%高、中国冶金科工(1618/HK)が10.6%高と値を上げた。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比2.95%高の3355.02ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が高い。インフラ関連株、消費関連株、公益株、銀行・保険株、素材株なども買われた。半面、半導体株は安い。証券株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)