8日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比2172.99ポイント(9.41%)安の20926.79ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が847.18ポイント(10.17%)安の7483.67ポイントと3日ぶりに急反落した。売買代金は6204億3770万香港ドルに拡大し、過去最高を更新している(7日は2968億3510万香港ドル)。
 利益確定売りが先行する流れ。ハンセン指数はこのところの急ピッチに上昇し、前日は節目の23000ポイントを回復し、2022年2月下旬以来、約2年7カ月ぶりの高値水準を切り上げていた。外部環境の不透明感も逆風。米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、昨夜は一時、約2カ月ぶりの高水準を付けた。中東情勢の悪化懸念もくすぶっている。また、国慶節で休場(1〜7日)していた本土株が取引再開し、ほぼ全面高でロケットスタートしたものの、徐々に上げ幅を削ったことも重しとなった。このところの香港株上昇をけん引していた銘柄群に売りが広がっている。一方、午前に開かれた国家発展改革委員会幹部の会見では、2025年も超長期特別国債の発行を継続する方針などが明らかにされたものの、市場で期待されていた財政出動など追加の景気刺激策に対する具体的な言及はなかった。投資家の失望を招き、指数は中盤から一段安となっている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄は全面安。個別では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が22.6%安、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が20.9%安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が19.4%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が急落。上記した龍湖集団のほか、雅居楽集団HD(3383/HK)が41.7%安、融創中国HD(1918/HK)が37.1%安、遠洋集団HD(3377/HK)が36.6%安、旭輝(884/HK)が36.0%安で引けた。
 中国の保険・証券セクターも安い。前記した中国人寿保険のほか、新華人寿保険(1336/HK)が25.2%、中国人民保険集団(1339/HK)が16.7%、中州証券(1375/HK)が38.1%、招商証券(6099/HK)が36.4%、申万宏源集団(6806/HK)が35.1%ずつ下落した。
 半導体セクターも売られる。上海復旦微電子集団(1385/HK)が27.4%安、華虹半導体(1347/HK)が23.2%安、晶門半導体(2878/HK)が21.5%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が18.3%安で取引を終えた。
 一方、本土マーケットは連休を挟んで10日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比4.59%高の3489.78ポイントで取引を終了した。証券株が高い。ハイテク株、医薬株、銀行・保険株、消費関連株、インフラ関連株、不動産株、資源株など幅広く物色されている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)