8日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比1289.78ポイント(5.58%)安の21810.00ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が510.45ポイント(6.13%)安の7820.40ポイントと3日ぶりに急反落した。売買代金は3847億6540万香港ドルに拡大している(7日前場は1687億6120万香港ドル)。
 利益確定売りが先行する流れ。ハンセン指数はこのところの急ピッチに上昇し、前日は節目の23000ポイントを回復し、2022年2月下旬以来、約2年7カ月ぶりの高値水準を切り上げていた。外部環境の不透明感も逆風。米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、昨夜は一時、約2カ月ぶりの高水準を付けた。中東情勢の悪化懸念もくすぶっている。また、国慶節で休場(1〜7日)していた本土株が取引再開し、ほぼ全面高でロケットスタートしたものの、徐々に上げ幅を削ったことも重しとなった。このところの香港株上昇をけん引していた銘柄群に売りが広がっている。一方、取引時間中に始まった国家発展改革委員会幹部の会見では、市場で期待されていた追加の景気刺激策に対する言及はなかった。投資家の失望を招いた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄は、ほぼ全面安(82銘柄のうち81下落)。個別では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が16.9%安、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が14.4%安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が13.6%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が急落。上記した龍湖集団のほか、雅居楽集団HD(3383/HK)が25.0%安、旭輝(884/HK)が22.1%安、融創中国HD(1918/HK)が20.7%安で引けた。
 中国の保険・証券セクターも安い。前記した中国人寿保険のほか、新華人寿保険(1336/HK)が14.4%、中国平安保険(2318/HK)が10.0%、中州証券(1375/HK)が25.4%、招商証券(6099/HK)が23.3%、東方証券(3958/HK)が22.6%ずつ下落した。
 半導体セクターも売られる。上海復旦微電子集団(1385/HK)が22.0%安、華虹半導体(1347/HK)が15.2%安、晶門半導体(2878/HK)が13.9%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が8.6%安で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは連休を挟んで10日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比4.81%高の3496.82ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が高い。医薬株、金融株、消費関連株、インフラ関連株、不動産株なども上昇が目立った。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)