BP、石油生産の削減目標撤回 エネルギー転換戦略後退=関係筋

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Ron Bousso

[ロンドン 7日 ロイター] - 英石油大手BPは、2030年までに石油・ガス生産量を削減するという目標を撤回した。投資家の信頼を回復するため、マレー・オーキンクロス最高経営責任者(CEO)がエネルギー転換戦略を後退させることを決めたという。事情に詳しい3人の関係者らが明らかにした。

20年に発表された当初のBPの戦略は、30年までに再生可能エネルギーを急成長させる一方で、石油・ガスの生産量を40%削減するというもので、この分野で最も野心的なものだった。しかし昨年2月には、生産量の目標削減幅を25%に縮小。投資家がエネルギー転換より目先のリターンを重視していることを意識した。

関係筋によると、BPは現在、石油・ガスの生産量を増やすため、中東とメキシコ湾で複数の新規投資案件を検討中だという。

オーキンクロス氏は今年1月にCEOに就任したが、株価下落を食い止めるのに苦慮。現在の戦略で利益を生み出す能力に投資家が疑問を抱いていることから、BPの株価は今年、ライバルを下回っている。

オーキンクロスCEOは、来年2月の投資家向け説明会で、30年までに石油・ガス生産量を削減するという目標の撤回を含む最新の戦略を発表する予定。新たな生産ガイダンスを示すかどうかは不明だ。