蛇口から出ていたのは飲料水ではなくトイレの水だった!? 中国人カップルが半年間体調不良に悩まされた驚愕の事実を解説
今回紹介する動画は、ニコニコ動画に投稿された『【2020年】「あれ?水道代払ってないのに水が出てくる…まぁいいか」頭痛・咳・ニキビ・脱毛…謎の体調不良に悩まされたカップル→蛇口から出ていた液体。実は…【ゆっくり解説】』というゆっくりするところさんの動画。
2020年に中国で発生したずさんなマンション工事について、音声読み上げソフトを使用して解説しています。
■自宅の水で体に異変が
魔理沙:
中華人民共和国、華北地区北部に位置する大都市、北京の高級住宅街。この地域は2008年に開催された北京五輪を契機に再開発が行われ、高層マンションといった高級住宅が立ち並び、それは郊外にまで広がっていた。
霊夢:
ああ〜、確かにオリンピックが開催された場所って、地価が上がるとか言うもんね。
魔理沙:
今回の登場人物Aさんも、このマンションの一つに暮らしていた。2020年。市内の貿易会社に勤めるAさんは、約半年前にこの地に転居し、当時交際中だったBさんと同棲生活を送っていた。
Aさんはこの部屋を契約し、日本円にして約20万円ほどの賃料を支払っていたという。夢の高級マンションでの生活は華やかなものだったそうだが、引っ越してからしばらくすると、二人は謎の体調不良に悩まされることになる。
Aさんには特にこれといった持病はなかったんだが、この家に暮らすようになってから原因不明の咳の症状が続き、1ヶ月が経過した頃には胸のあたりに違和感を覚え、風邪を引いていないのに、喉にずっと痰が絡んだような感覚に悩まされていた。
Bさんにも似たような症状が現れ、3ヶ月が経過した頃には、Aさんは異常と言えるほどの抜け毛、そして顔や背中にニキビが出るなど、いくつもの不思議な症状に襲われていた。
霊夢:
病院には行かなかったの?
魔理沙:
二人は近くの呼吸器内科を受診し、アレルギーの可能性があると言われ、症状を抑える薬を処方されていた。その薬をしばらく服用したものの、全くと言っていいほど症状は良くならない。それどころか時間が経つごとに新しい症状が現れる。
半年近くが経過した頃、Aさんたちは別の診療科を受診し、気管支炎などが疑われたため、そこで胸部X線検査などを受けたが、やはり原因は分からなかった。
しばらくは気管拡張効果のある薬で様子を見ていたAさんだったが、病院のウォーターサーバーで水を一杯飲んだ際、彼に衝撃が走った。
霊夢:
お水?
魔理沙:
普段は自宅で水道水を飲んでいたAさんだったが、蛇口をひねって出てくる水には匂いがあり、お世辞にも美味しいとは言えないものだった。彼は再開発されたばかりの都心部に暮らしたのが初めてだったので、「こういうものなんだろう」と自分の中で納得し、我慢して水道の水を飲んでいたんだ。
霊夢:
なるほどね……確かに大都会の水道は安全だけど、美味しくないなんて話聞いたことあるわね。
魔理沙:
そのため、この病院で飲んだ水が信じられないほど美味しく感じたという。水について考えていたAさんは、妙なことに気がついた。「そういえば、うちの水道代はどうなっていただろう」と。
Aさんは家賃、電気代などについては毎月いくら払っているのかを把握していたが、水道代を払った記憶が一度もなかった。すぐにBさんにも尋ねてみたが、彼女も水道代を払ったことはないと言う。
不審に思ったAさんは帰宅後、自宅の蛇口をひねってみると、いつもと同じように問題なく水が出ていた。通常、水道を使用していれば、定期的に業者の作業員が訪れ、検診を行うことになっている。
しかし、Aさんの自宅には誰かが検診に来た形跡もなく、納付書や請求書などもポストには入っていなかった。そこでAさんは自宅の外側に設置されている、水道のメーターを自分なりに調べてみることにした。すると、なんと彼の家のメーターは全く回っていなかったことが判明。
霊夢:
ハァ!? じゃあAさんたちはずっと無料で水道が使えてたの?
魔理沙:
何か おかしなことが起きていると判断したAさんは、マンションの管理会社に連絡を入れ、翌日の昼頃、自宅の配管調査を実施してもらうことになった。すると、そこでショッキングな事実が明らかになった。
なんとAさんの自宅に設置された水道水の配管と、中水配管が余分なパイプで接続されていることが分かったんだ。
霊夢:
ちゅ、中水? つまりどういうことよそれ。
魔理沙:
この中水というのは、車の洗浄や、トイレを流す際に使う目的で再利用される家庭用排水のことだ。衛生的に飲み水に適さない水を、こうした中水として使用することがある。つまり、Aさんの自宅は配管ミスによって、家庭用排水が水道の蛇口から出ており、それを知らなかったAさんたちは約半年間の間、飲み水としてずっと排水を飲み続けていたんだ。
霊夢:
オエエエエエエエ!!!!!!
魔理沙:
この中水配管に流れていた水は、マンションで貯められていた雨水や井戸水、再利用された排水で、彼らはこの水でお風呂や料理、そして飲み水として使用し続けていた。これは生活排水の一部なので、当然水道水とは違い、殺菌処理などが施されていない不衛生な水だった。
霊夢:
だ、だから匂いがしてたんだ……。
魔理沙:
ああ。Aさんは都会ではこれが普通のことだと納得してしまい、我慢して水を飲み続けていた。また、彼らに起きていた謎の体調不良の数々も、この中水を長期間摂取したことによるものではないかと考えられた。
幸いなことに、今回の調査を行った配管工がその場で配管の修理を実施してくれたため、その日のうちに水道水と中水をしっかりと分けることができたそうだ。
しかし、約半年間に渡り健康被害に苦しんだAさんたちは、部屋を借りる際に利用した住宅リースサービスの会社に対し、「貸し出す前の適切な検査を怠った」として損害賠償請求を行うことになった。
その後の報道によれば、このマンションが建てられた場所には元々大きな井戸があり、近隣住人が中水としてそこの水を利用しており、マンション建設後もそこから中水を引いていたが、施工会社のミスにより、誤った配管接続が行われていたという。
Aさんはその後のメディアインタビューに対し、「もし私が体調不良を起こさなかったら、今回の問題に気づかなかったでしょう。高級住宅でこんなことが起きるなんて……」と心境を語った。
なお、中水であっても使用量が発生し、その後請求される可能性もあったが、Aさんがそれを支払っていたのか、家賃に含まれていたのかは公表されなかった。
霊夢:
これってかなり珍しい事故ね。
魔理沙:
いや、実は中国では水道や下水に関するトラブルが非常に多く、例えば同年11月には遼寧省の一部地域で蛇口から出た水道水が燃えるという事態が発生し、安全管理不足によって天然ガスが水道水に混ざってしまうような事故も発生していた。
霊夢:
す、水道水が燃える……!?
魔理沙:
その水道水は一時的に地下深くから供給されており、地下の天然ガスが水道に混ざってしまい、時折このようなことが発生していたんだ。事故が起こった盤錦市は天然ガスや石油などの資源が豊富で、地下にパイプを張り巡らせてこれらの資源を輸送していたが、その管理が杜撰なもので、こういった事故が起きていた。
さらに言えば、水道水が燃えるという事例は2017年あたりから報告されていたが、住人が水道会社に問い合わせたところ、「工事を行っているため、そういったことが起こる場合もあります。現段階では約1500円ほどの水道料金割引でしか対応できません」と言われ、根本的な解決や十分な補償を行わず、SNS上で炎上する騒動にまで発展していた。
霊夢:
こわぁ……。水道水が燃えるのもびっくりだけど、その対応も信じられないわ……。
魔理沙:
中国のすべての地域が危険だというわけではないかもしれないが、地域によってはこういった恐ろしい事故がいくつも起きていたんだ。
まさか自宅の飲料水がトイレなどに使われる水とだったとは……考えただけで背筋がゾッとしますね。フル解説をご覧になりたい方は、ぜひ動画をご視聴ください!