花巻東の佐々木洋監督

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 ドジャース・大谷のメジャー史上初の「50―50」達成に際し、恩師である岩手・花巻東の佐々木洋監督(49)が20日、快挙をねぎらった。

 岩手の雄を率いる名将でも、大谷の無限の可能性は計れなかった。

 「私は彼が盗塁に成功する度に、とんでもない『間違い』をしていたのでないかと悔やんでました」

 佐々木監督の口から出た衝撃の“ざんげ”。その心とは―。

 「打者と投手を同時にできる二刀流の可能性は理解していても、これほど盗塁で成功する可能性について、私自身は気付いていませんでした。指導者としての私では、大谷選手の『もう一つの可能性』を開花させることができなかったのだと痛感しました。今季は投手として活躍できない分、野手としてできることを考え抜いた末に、彼自身が『機動力』や『盗塁』という新たな可能性を創造したのだと思います」

 他人が描く“枠”を何度も超えて、希望を与えてきた大谷。教え子の姿からも多くを学んだという。

 「51回はホームランで盗塁のチャンスさえないのに、51回盗塁するのは困難なこと。私たちの想像をはるかに超えていく彼の『これしかできない』ではなく、『他に何ができるか』という思考力には驚かされるばかりです。恩師などとは、口が裂けても言えないです」