ゲーム開発企業ポケットペアが販売するゲーム「パルワールド」の宣伝動画の一場面(2024年1月22日撮影)。(c)Chris DELMAS / AFP

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【AFP=時事】任天堂(Nintendo)は19日、人気ゲーム「ポケットモンスター(Pokemon)」のライセンス事業を手掛けるポケモンと共同で、ゲーム開発企業ポケットペア(Pocketpair)が開発・販売するゲーム「パルワールド(Palworld)」が複数の特許権を侵害しているとして、同社に侵害行為の差し止めと損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起したと発表した。

「パルワールド」は、ポケモンに似たキャラクターが登場するサバイバルゲームで、「銃を持ったポケモン」と呼ばれて話題に。今年1月に早期アクセス版がリリースされると、わずか3日で500万本以上を売り上げた。

 任天堂は声明で「2024年9月18日に、株式会社ポケットペアに対する特許権の侵害訴訟を東京地方裁判所に提起」したと発表。「この訴訟は、被告が開発・販売するゲーム『Palworld / パルワールド』が複数の特許権を侵害しているとして、侵害行為の差し止め及び損害賠償を求めるもの」だと述べた。賠償額には具体的に言及していない。

 任天堂はまた、「長年の努力により築き上げてきた当社の大切な知的財産を保護するために、必要な措置を講じていく」としている。

「パルワールド」はまだ開発途上にあるが、早期アクセス版はPCゲームプラットフォーム「STEAM」で約4000円で販売されている。

 同サイトのゲーム説明には、「広大な世界で不思議な生物『パル』を集めて、戦闘・建築・農業を行わせたり、工場で労働させたりする全く新しいマルチ対応のオープンワールドサバイバルクラフトゲーム」と書かれている。

 ゲームに対する初期のレビューは好意的だったが、「パル」がポケモンのキャラクターにそっくりだという指摘が多く、批評家やユーザーは「銃を持ったポケモン」と呼び始めた。

 ゲーム開発者「パイレートソフトウエア(Pirate Software)」のアカウントは「STEAM」へのレビューで「私も含めほとんどの人が、このゲームはミームになると思っていた」「実に信じられないほど細部まで作り込まれ、極めて最適化された、とてつもなく引き込まれるゲームだ」と述べている。

 ポケットペアは19日に声明を発表し「訴状を受領次第、必要な対応」を行っていくとしつつ、「今回の訴訟により、ゲーム開発以外の問題に多くの時間を割かざるを得ない可能性がある状況は非常に残念」だと述べた。

【翻訳編集】AFPBB News

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