ヒトハダ第2回公演『旅芸人の記録』舞台写真

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2024年9月5日(木)下北沢ザ・スズナリにて、ヒトハダ第2回公演『旅芸人の記録』が開幕する。この度、舞台写真とコメントが届いたので紹介する。

劇団「ヒトハダ」とは、大鶴佐助が座長を務める演劇団体。『旅芸人の記録』は太平洋戦争中、関西の地方都市にある小さな大衆演劇の劇場で女剣劇を看板に芝居をする家族の物語だ。複雑な家族関係の中でのすれ違いや、戦争に翻弄される市井の人々を描いている。

旗揚げ公演では、進駐軍のコーラスグループの友情を描いたヒトハダが、今回は大衆演劇に挑戦。人情あり・笑いあり・涙あり・歌あり・踊りありの大衆演劇エンターテインメントを劇場で堪能しよう。

本作の東京公演は9月22日(日)まで、大阪公演は9月26日(木)~29日(日)扇町ミュージアムキューブCUBE01にて上演される。

『杏仁豆腐のココロ』

また、年末にはヒトハダ番外公演『杏仁豆腐のココロ』の上演が決定した。『杏仁豆腐のココロ』は、クリスマスにとある夫婦が別れを前に想いを巡らせるという男女2人芝居。2000年の上演以来、数々の演出家や劇団が上演してきた名作で、鄭義信自身が演出を手掛けるのは約9年ぶりとなる。劇団員からは、浅野雅博と尾上寛之が出演し、客演として、村岡希美、高畑こと美を迎え、今男女それぞれダブルキャストの、2チーム制で上演する。

脚本・演出 鄭義信 コメント

今年の春、生まれて初めて大衆演劇の演出をさせていただいた。同じ演劇と言えど、今まで経験したことのない世界である。
昼夜公演が終わった夜十時過ぎに、明日の舞台稽古が始まる。舞台の隅にテーブルが置かれ、鮨やお菓子が並べられている。座員たちは、それをちょこちょこつまみながら、台本片手に台詞合わせをする。
朝十時に劇場に伺うと、真っ暗でな舞台の上に布団を敷いて、座員たちが眠っていた。大衆演劇の座員達は、昔も今も、舞台上に布団を敷いて寝ている。舞台の上が、まさに彼らの職場であり、生活空間でもあるのだ。
なんだか怖ろしくかけ離れた世界でありながら、その舞台の上で演じられるのは、やはり人間の変わらぬ業であり、義理人情であり、愛であり、営みである。
いつの時代であれ、とりまく状況が変わったとしても、変わることのない人の思いを、今回の作品を上演することで、ほんの少しでも掬いとれることができたなら、作家、演出家として、これほどの喜びはない。

座長・大鶴佐助 コメント

実家の廊下の先は稽古場だった。いつも台詞が飛び交い劇中歌が響いていた。
それが僕の日常で、気づけば自分も役者になっていた。
今回の「旅芸人の記録」は家族の物語だ、誰の記憶にも残らなかったかもしれないし、誰かの記憶に残ったかもしれない旅芸人一座の日常を、おあつらえ向きに降る雪の合間から覗いてみてください。