「縦型」×「厚底」ソフトクーラーは日常にも備えにも役立つスゴイやつだった
【アウトドア銘品図鑑】
9月になっても蒸し暑さが衰える気配なんてなし。キャンプの相棒、ソフトクーラーは日々の買い物でも大活躍していることでしょう。
ハードクーラーの中にソフトクーラーを入れて保冷力を高める「クーラー・イン・クーラー」という新発想で驚かせてくれたオレゴニアンキャンパー「ヒャド」シリーズより、進化形ソフトクーラーが誕生。冷たい空気は下の方に流れていく…この性質を突き詰めた「スーパーヒャド」シリーズです。
▲左・中央「スーパーヒャド30」(1万780円)、右「スーパーヒャド20」(6380円)。カラーはどちらもブラック、アイスグレー、ブラウンから選べる
“今さらソフトクーラー?” なんて高をくくっちゃダメ。
断熱材の厚みだけでなく、底を見直すことで、軽くてしなやかなのに保冷力のあるソフトクーラーに仕上げているんですから。
■約18mmの底板とボトムヒールを標準装備!
オレゴニアンキャンパーのソフトクーラーは基本、縦型。
これは「冷たい空気ほど重く、下へ下へと向かっていく」という性質を利用しているためです。
断熱材の厚さも重要ですが、縦型にすることで冷たい空気が逃げにくくなるというわけ。
▲取り外し可能な底板
その上で「スーパーヒャド」シリーズは約18mmの底板を搭載しています。
本体の断熱材は約10mmなので底はほぼ3倍の厚み! 冷たい空気が底からさらに地面へと逃げてしまわないよう、がっちりガードしているんですね。
底板を取り外せるので洗いやすいし、使わないときにぺたんこ収納しやすいというのも気が利いています。
さらにさらに、底には小さな突起を備えています。
▲底にボトムヒールを搭載
気軽に持ち運べるソフトクーラーは買い出しやスポーツ観戦などにも大活躍。キャンプサイトであればラックに載せておけますが、熱々の舗装路や地面に直置きすることも間々あるわけで、さすがにクーラーの保冷力にも影響しちゃうんです。
底に突起=ボトムヒールを搭載することで地面の熱をダイレクトに受けないようにし、底にたまった冷たい空気をあたためない。この配慮、ちょっとうれしい。
開口部はファスナーではなくロールトップを採用しています。
▲素早く開口部を閉じられる
ファスナーだと気をつけていてもうっかり閉め切れていないことがあるけど、ロールトップだとパタンと山折りにするだけであたたかい空気をシャットアウト。簡単に冷気を閉じ込められます。
開閉が多いファミキャンやグルキャンで、この手間なし開閉はめちゃ便利。
▲コンパクトな「スーパーヒャド20」ならバックル部分を持ってちょっとだけ移動するなんてことも
それにロールトップなら多少の融通が利いて、ちょっぴり背の高い野菜を入れたいときも安心です。
▲「スーパーヒャド30」のロールトップは2ウェイ
「スーパーヒャド30」は本体サイドにもバックルが付いているので、中に詰めるモノの形や量によって形を変えられるのもイイ。
■どちらも2Lペットボトルを立てておける
効率よく保冷する「スーパーヒャド」シリーズ、その容量をチェック。
▲「スーパーヒャド30」のサイズ61×24×H60cm、「スーパーヒャド20」は45×22×H49cm
20QT(約18.6L)の「スーパーヒャド20」と30QT(約28.4L)の「スーパーヒャド30」で、ざっくりとソロは20、ファミリーなら30といったところですが、こうも暑いと飲み物の消費量がハンパないわけで、夏ならソロでも30があるといいかも。
ファミリーは30一択に思えますが、20を切り捨ててはダメ。
車種によりますが、20なら運転席脇のセンターコンソールボックスに載せて、家族みんなの飲み物やおやつを保管できるんですから。
「スーパーヒャド20」も「スーパーヒャド30」も2Lのペットボトルを立てて保管できます。取り出しやすいし一目瞭然。
ここで気になったのは小型の「スーパーヒャド20」。
食品と飲み物が少なくなった帰り道、2Lのペットボトルが倒れて食品を潰しちゃうのは困りもの。試しに2Lペットボトルを横に倒したところ底にぴったり収まる! 帰り道はペットボトルを倒し、その上に余った野菜やおみやげの食品を詰めておけるのがいいですね。
■カスタムしがいあり!
「スーパーヒャド」シリーズは細部へのこだわりもハンパなし。
「スーパーヒャド20」は正面にちょっとした小物を吊せるウェビングが装備されています。キーやLEDライトなんかを引っかけておくのが定番でしょうか。
▲「スーパーヒャド20」のウェビングに「カックリンワイプ」を装着しておくと使い勝手よし
ウェビングは同じ高さなので、ロープを通して、同じくオレゴニアンキャンパーの「カックリンワイプ」(1650円)を吊してみたんですが、これがめちゃ便利でした。
洗い物や水分の拭き取りに便利な「カックリンワイプ」も「スーパーヒャド20」もキッチンまわりで使うものだから、相性よし。使いたい時にすぐに手を伸ばせます。
それに「カックリンワイプ」はギアの汚れ落としにも使えるので、撤収時は最後の最後まで手元におきたいわけです。
「スーパーヒャド20」に取り付けておけば、“テントもファニチャーも泥だらけ。まだまだカックリンワイプを使いそうで、ワイプをしまい込むコンテナボックスをクルマに積めないよ…”というジレンマもありません。
今回はそのままロープを使って取り付けたけど、オレゴニアンキャンパーの「キッチンペーパーホルダー」(2970円)に入れるとスマートだし、「シェフズロール」(5280円)を取り付けてもよさそう。いろいろ夢が広がります。
一方、「スーパーヒャド30」にはウェビングが付いていませんが、10mmのロープハンドル付け根が輪っかになっているのでこれを利用して小物を吊り下げるといいかも。
ちなみに、「スーパーヒャド」シリーズはどちらもロゴにワッペンの貼り付け可能。スリット付きなので細いベルトを通して小さなポーチで拡張するなんてこともアリ。
■買い物にも役立つフェーズフリーなギア
「スーパーヒャド」シリーズはキャンプだけでなく日常の買い物にも使いやすいのがウリなんですが、じつは内側は防水加工を施した生地を高周波溶着していて、いざというときはバケツ替わりに水をためられる、フェーズフリーなギアでもあるんです。
「スーパーヒャド20」はショルダーストラップ、「スーパーヒャド30」は肩掛けOKのロープハンドル+下部ハンドルで、買い出しはもちろん、たっぷりの重い水を入れても持ち運びやすく設計されています。
断熱材の厚みだけに頼らず、効率よく保冷効果を高めた「スーパーヒャド」シリーズ。
薄くたためる仕様ですが、買い物やドライブにも使えてたたむ間なんてない頼もしいソフトクーラーに仕上がっています。
>> オレゴニアンキャンパー
>> [連載]アウトドア銘品図鑑
<取材・文/大森弘恵 撮影協力/オレゴニアンキャンパー>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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