「24時間テレビ」恐るるに足らず？ 他局が強力ラインナップをぶつけた今年の裏番組 テレ東は元ジャニーズ「二宮和也」起用の大胆さ
8月31日の18時30分から、日本テレビの「24時間テレビ」がスタートする。今年は番組史上初めて放送日が9月に突入するという遅めの日程だ。さらに、久しぶりにメインパーソナリティーを置かないMC陣での放送となる。すると……他局が動いた。
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【写真】「性的な加害を想起させかねない」と炎上！ 昨年の24時間テレビ「なにわ男子」の“幼少期ポスター”
今年で47回目となる「24時間テレビ」。夏の風物詩とも言われるが、昨年の平均視聴率は11・3％（ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯：以下同）、募金総額は8億2100万8847円。これでも過去の放送と比べると低調だった。日テレ関係者は言う。
「過去最高の平均視聴率は草なぎ剛と香取慎吾がメインパーソナリティーを務めた2005年の19・0％。募金総額は東日本大震災が起きた2011年の19億8641万4252円、この年のメインパーソナリティーは関ジャニ∞（現・SUPER EIGHT）が務めました。昨年は過去最高と比べると、視聴率で約6割、募金額で約4割しか達成できませんでした」
昨年は日テレ系列の地方局幹部局員による募金着服問題も発覚した。
「もともと『24時間テレビ』は“愛は地球を救う”をキャッチフレーズに日本各地で募金活動を行うチャリティー番組としてスタートしました。しかし、回を重ねるごとに“感動の押し売り”や“偽善商法”などと揶揄されることも増え、そんな中での募金の着服ですからイメージダウンも大きかった」
総合司会の水卜麻美アナは今年6月、自身がMCを務める情報番組「ZIP！」で涙ながらに謝罪。同じく総合司会の羽鳥慎一アナは、問題が発覚した昨年11月、テレビ朝日のレギュラー番組「羽鳥慎一 モーニングショー」で、「30年間、日本テレビ系列の社員としてこの番組（24時間テレビ）に携わって、寄付金に対してこういう思いなんだと……『なんなんだ、この人は』と私は思います」と、他局の番組内でありながら怒りを露わにしていた。
「24時間テレビ」の裏番組
「さらに、ジャニー喜多川氏による所属タレントらに対する性加害が社会問題化したことで、今年の『24時間テレビ』には旧ジャニーズ事務所のタレントを極力起用しない方針となりました。ちなみに、メインテーマが“愛は地球を救うのか？”と疑問形になったのは、番組に対する弱気も表しているのかもしれません」
弱り目の「24時間テレビ」に他局が動き出したという。
「このところ他局は、『24時間テレビ』に狙いを定めて特番をぶつけてきています」
昨年の「24時間テレビ」が放送された土曜19時台の裏番組を見てみよう。「24時間テレビ」は18時30分のスタートだ。
●テレ朝「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん夏の祭典!!」（18:30〜20:54）
●TBS「ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます！SP」（18:51〜21:00）
●テレビ東京「ザキヤマの街道歩き旅7」（18:30〜20:54）
●フジテレビ「芸能人ドッキリGPドッキリも地球を救う」（19:00〜23:10）
「こうした特番を組むようになったのは、2005年頃からと思います。それまでは、民放同士、他局の邪魔はしないという精神だったのか、いつも通りのレギュラー番組を放送していました」
メインパーソナリティをダウンタウンが務め、テーマ曲「サライ」が誕生、初めてチャリティマラソンが行われるなど、現在の「24時間テレビ」の原型となった1992年の土曜19時台の裏番組は、
●テレ朝「美少女戦士セーラームーン」（19:00〜19:30）、「おぼっちゃまくん」（19:30〜20:00）
●TBS「まんが日本昔ばなし」（19:00〜19:30）、「クイズダービー」（19:30〜20:00）
●フジ「たけし・逸見の平成教育委員会」（19:00〜20:00）
●テレ東「特選ぶらり旅」（19:00〜19:30）
かつては通常番組の放送だった。では、今年はどうなるのだろう。
包囲網完成
「今年も『24時間テレビ』包囲網は変わりません。いや、むしろ強まっているのかもしれません。8月31日の夜、テレ朝は『サンドウィッチマン＆芦田愛菜の博士ちゃんSP』、TBSは『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます！SP』、フジは『芸能人ドッキリGP』を放送。中でも驚いたのは、テレ東の『激かわペット大集合！ワンニャンにのランド』（18:30〜20:54）です。MCを務めるのは二宮和也、サブMCは霜降り明星のせいやで、本気で数字を取りに来ているようです」
旧ジャニーズの起用を控えた「24時間テレビ」に当てつけるかのように、同事務所を退所した二宮をぶつけてきたのだ。デイリー新潮は8月4日配信の「本当はもっと早く実現するはずだった…苦節12年『ニノさん』ゴールデン進出のウラ事情」で、二宮が出演する番組の好調ぶりを報じた。どの局も二宮に目を付けるのは当然だが、彼がテレ東の番組でMCを務めるのはこれが初めて、バラエティ番組の出演は26年ぶりという。
「今年の『24時間テレビ』はメインパーソナリティに旧ジャニーズの起用が難しいこと、募金着服が大きな逆風になっていることを見越しての起用でしょう」
さらに、翌9月1日の20時54分に迎える「24時間テレビ」のフィナーレに対しても、他局は人気番組を並べている。TBSは「坂上＆指原のつぶれない店」の2時間SP、フジは「超ド級！世界のありえない映像大賞」の3時間SP、テレ東は「巨大マグロ戦争2024夏」といった特番を組んでいる。まるで大晦日の「NHK紅白歌合戦」包囲網を見るかのようだ。
「そのNHKも『24時間テレビ』にぶつけるような編成をしています。総合テレビは31日19時30分から『新プロジェクトX』を久しぶりに放送。その内容も“国宝・薬師寺東塔の全解体修理”ですから、興味を持つ方も多いでしょう。またEテレは深夜0時から『バリバラ〜障害者情報バラエティー〜』を放送します」
「バリバラ」は日本初の障害者のためのバラエティ番組で、2016年には“検証！「障害者×感動」の方程式”と題し、「24時間テレビ」の裏でいわゆる“感動の押し売り”を検証したことで話題となった。その後も「24時間テレビ」の裏番組として放送されてきたが、昨年の放送はなかった。
「もう放送されないのかと思いましたが、今年は復活します。まさに『24時間テレビ』包囲網が完成した形です。『24時間テレビ』は恐るるに足らずと見られているようです」
今年の「24時間テレビ」の目玉は、ピン芸人・やす子のチャリティーマラソンと萩本欽一夫妻を描いたスペシャルドラマ「欽ちゃんのスミちゃん〜萩本欽一を愛した女性〜」だけとも言われているが、果たして――。
デイリー新潮編集部
