30日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比19.11ポイント(0.68%)高の2842.21ポイントと4日ぶりに反発した。
 中国経済対策の期待感が相場を支えている。中国人民銀行(中央銀行)が29日、景気支援に向けた新たな手段を検討していると改めて強調。外電は30日、関係者の話として、「当局は消費促進のため、住宅ローンの借り換え容認を検討している」と報じた。外国為替市場で対米ドルの人民元高が進行していることもプラス。30日の上海外国為替市場では、対米ドルの人民元高が進み、昨年6月以来の高水準で推移している。今年前半からの元安懸念が払しょくし、中国マネーの流出懸念もやや薄らいだ格好だ。8月の中国製造業PMIの公表をあす31日に控え、朝方は弱含む場面がみられたものの、指数は上げ幅を徐々に広げている。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、不動産の上げが目立つ。金地集団(600383/SH)がストップ(10.0%)高、新城控股集団(601155/SH)が7.3%高、信達地産(600657/SH)が6.4%高、保利発展控股集団(600048/SH)が5.3%高、緑地HD(600606/SH)が4.4%高で引けた。
 保険・証券株も物色される。新華人寿保険(601336/SH)が9.7%高、中国太平洋保険(601601/SH)が6.8%高、中国人寿保険(601628/SH)が2.7%高、中国銀河証券(601881/SH)がストップ(10.0%)高、国泰君安証券(601211/SH)が4.9%高、中国国際金融(601995/SH)が4.4%高で取引を終えた。中国人寿保険の中間決算は6%増益に上向き(1〜3月期決算は9%減益)、中間配当の初実施方針も明らかにしている。
 ハイテク株もしっかり。産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が6.5%、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が5.6%、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が3.7%、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)とフラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)がそろって3.4%ずつ上昇した。消費関連株、素材株、インフラ関連株、医薬株、エネルギー株なども買われている。
 半面、銀行株はさえない。交通銀行(601328/SH)が6.0%、中国建設銀行(601939/SH)が4.8%、中国農業銀行(601288/SH)が4.0%、招商銀行(600036/SH)が2.4%ずつ下落した。業績懸念がつよまる。交通銀行に続き、招商銀行の中間決算も減益だった。そのほか、公益株、メディア関連株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が6.19ポイント(2.71%)高の234.77ポイント、深センB株指数が25.01ポイント(2.36%)高の1083.28ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)