「BRZ生産終了」の真相は「マイチェン」……ってビックリさせないでよ! 次期型があるなら「生産終了」と同時にアナウンスして!!
この記事をまとめると
■2024年6月にスバルBRZはホームページ上に「現行型は生産終了」との記載を行った
■スバルは一部改良もモデルチェンジと考えているので現行型を「生産終了」と表記する
■生産終了を公表したときは次期型の登場についてメーカーは言及するべきだ
BRZが消える! ……わけではなかった
以前、スバルBRZのホームページに「現行型は生産終了」と記載されたが、これは2024年7月に実施された改良に伴う告知であった。改良モデルでは、6速MT専用のスポーツモードを設定して、アクセル操作によるコントロール性を向上させるなど、運転する楽しさを盛り上げている。姉妹車のトヨタGR86も2024年7月に改良を実施した。
ただ、BRZのように一部改良でも「現行型は生産終了」と告知するケースは珍しい。一般的には、フルモデルチェンジを実施するまでは「現行型」を保っていると解釈しているからだ。
そして、「生産終了」と表現すると、車種の廃止と受け取られる場合も多い。BRZが2024年7月に行った改良に伴う生産終了の告知でも、「せっかく6速MTを含めてアイサイトを装着したのに、早くも国内販売を終えるのか」という話になった。そのために、他社では生産終了の表現は、車種の廃止以外はほとんど使われない。従ってBRZではニュースになった。
ちなみにスバルでは、フルモデルチェンジを行った直後の車種をA型と呼び、改良を受けるごとにB型、C型、D型と区別することが多い。改良でもモデルチェンジと考えて、受注と生産に区切りを付けるから「生産終了」も生じるわけだ。
最近のスバルでは、レヴォーグ レイバックなど、車種の数も増えつつあるが、以前は少数精鋭だった。車種が少ないから、フルモデルチェンジから時間を経過しても販売台数を落とさず、最後まで綿密な改良を続けて商品力を維持した。そのために「最新のスバル車は最良のスバル車」であり、たとえ一部改良でも、生産終了として区切りを付ける。A型やB型などの区分が生じるのも同じ理由に基づく。
ちなみに、2024年8月中旬時点でメーカーのホームページに「生産終了」と記載されている車種にマツダ6がある。次期マツダ6は、CX-60などと同じ後輪駆動の新しいプラットフォームを使って登場すると見られたが、開発は先送りになっているようだ。
北京モーターショーで登場したEZ-6は、前輪とフロントピラー(柱)の間隔が近いから後輪駆動車ではなく、マツダの関係者によると、「国内では販売しない」とのこと。そうなると、後輪駆動の次期マツダ6があるとしても、現行型が生産を終えたあと、登場するまでにしばらく時間を要するようだ。そのために生産終了とされている。
ホンダ・アコードは、海外向けの車両で、現行型はタイ製を輸入している。そのために、海外で新型が登場したあと、暫くしてから国内で発売された。先代アコードは2023年1月に国内販売を終了しており、現行型の発売は2024年の3月だから、1年以上の空白期間があった。この間に「アコードは国内販売を終えたのか?」と話題になった。
このように「生産終了」と案内されると次期型が気になる。とくに従来型のユーザーは、「もはや次期型には乗り替えられないのか?」と心配になり、裏切られた気分になることもある。生産終了を公表したときは、次期型が登場するのか否か、メーカーはそのあとの展開も明らかにすべきだ。