29日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比14.32ポイント(0.50%)安の2823.11ポイントと3日続落した。2月6日以来、約6カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。
 前日までの軟調地合いを継ぐ流れ。中国の景気懸念や、対外関係の悪化が引き続き売り材料視されている。指標発表も気がかり。中国では31日、8月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が発表される。製造業PMIについては、7月の49.4から49.5にやや上向くと予想されているが、景況判断の境目となる50は引き続き下回る見通しだ。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、銀行の下げが目立つ。交通銀行(601328/SH)が4.8%安、中国農業銀行(601288/SH)が4.7%安、中国工商銀行(601398/SH)が4.2%安、中国銀行(601988/SH)が4.1%安で引けた。交通銀行の中間減益がセクター全体の逆風となっている。同行の減益は、コロナ禍以降では初めてだ。
 石油・石炭株もさえない。中国石油化工(600028/SH)が3.2%、中国石油天然気(601857/SH)が3.1%、中国海洋石油(600938/SH)が2.0%、中国神華能源(601088/SH)が1.6%ずつ下落した。公益株、保険株、メディア関連株、海運株なども売られている。
 半面、ハイテク株はしっかり。薄膜コンデンサー中国最大手の廈門法拉電子(600563/SH)が6.7%高、ディスプレー基幹部品の彩虹顕示器件(600707/SH)が3.7%高、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が3.0%高、電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)が2.7%高、半導体封止・検査の江蘇長電科技(600584/SH)が2.6%高で取引を終えた。消費関連株、医薬株、素材株、不動産株、軍事関連株も買われている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.62ポイント(0.27%)高の228.59ポイント、深センB株指数が9.40ポイント(0.90%)高の1058.27ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)