27日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比75.94ポイント(0.43%)高の17874.67ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が127.73ポイント(0.44%)高の6306.36ポイントと続伸している。ハンセン指数は7月15日以来、約1カ月半ぶりの高値水準を更新した。売買代金は919億2260万香港ドルとなっている(26日は835億8570万香港ドル)。
 中盤から買いが優勢となる流れ。中国経済対策の期待感が根強いほか、9月の米利下げ観測が相場を支えている。また、主要企業の中間決算報告が香港で終盤に入る中、増益や黒字転換、配当増など好決算が多く見られることも好感された。もっとも、上値を買い進む動きはみられない。中国Eコマースの成長鈍化や、中国の財政不安が投資家の慎重スタンスを強めている。格安サイト「Temu」を運営するピン多多(PDD/NASDAQ)の4〜6月期決算は売上高が予想を下回ったうえ、成長が鈍化するとの弱気見通しも示された。ほか、中国財政部が26日発表したデータによると、今年1〜7月の一般公共予算収入(財政収入)が前年同期比で2.6%減少する一方、支出は2.5%増えている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が9.0%高、即席麺・飲料大手の康師傅HD(ティンイー:322/HK)が6.1%高、香港不動産デベロッパーの恒基兆業地産(12/HK)が4.1%高と上げが目立った。携程集団については、4〜6月期決算の利益6倍が材料視されている。ティンイーの中間決算は15%増益だった。
 セクター別では、石油・石炭が高い。中国石油化工(386/HK)が5.2%、中国石油天然気(857/HK)が4.1%、中国海洋石油(883/HK)が3.4%、エン鉱能源集団(1171/HK)が3.3%、中国神華能源(1088/HK)が2.7%ずつ上昇した。中国石油天然気が報告した中間決算は4%増益と小幅改善ながら、配当の増額方針を示している。
 中国の銀行セクターもしっかり。中国建設銀行(939/HK)が1.7%高、中国農業銀行(1288/HK)が1.6%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.3%高で引けた。
 半面、Eコマース大手2社はさえない。阿里巴巴集団HD(アリババ9988/HK)が4.0%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が3.7%安と値を下げた。上述したように、ピン多多の成長鈍化見通しが売り材料視されている。
 中国の不動産セクターも安い。建発国際投資集団(1908/HK)が4.7%、旭輝(884/HK)が4.3%、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.4%、融創中国HD(1918/HK)が3.0%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.24%安の2848.73ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。ハイテク株、消費関連株、インフラ関連株、運輸株、素材株、公益株なども売られた。半面、石油・石炭株は高い。銀行株、医薬株、メディア関連も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)