27日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比48.41ポイント(0.27%)安の17750.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が12.14ポイント(0.19%)安の6266.49ポイントと反落した。売買代金は468億3810万香港ドルとなっている(26日前場は473億5800万香港ドル)。
 中国の景気懸念が重しとなる流れ。中国Eコマースの成長鈍化や、中国の財政不安が投資家の慎重スタンスを強めている。格安サイト「Temu」を運営するピン多多(PDD/NASDAQ)の4〜6月期決算は売上高が予想を下回ったうえ、成長が鈍化するとの弱気見通しも示した。ほか、中国財政部が26日発表したデータによると、今年1〜7月の一般公共予算収入(財政収入)が前年同期比で2.6%減少する一方、支出は2.5%増にとどまっている。ただ、指数は前引けにかけて下げ幅縮小。中国経済対策の期待感が根強いほか、9月の米利下げ観測が相場を支えている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、Eコマース2社の下げが目立つ。阿里巴巴集団HD(アリババ9988/HK)が4.7%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が4.2%安で引けた。
 セクター別では、中国の不動産が安い。建発国際投資集団(1908/HK)が5.8%、旭輝(884/HK)が4.3%、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.4%、融創中国HD(1918/HK)が2.0%ずつ下落した。
 産金セクターも急落。中国黄金国際資源(2099/HK)が7.8%安、山東黄金鉱業(1787/HK)が4.5%安、招金鉱業(1818/HK)が4.1%安、霊宝黄金(3330/HK)が3.2%安と値を下げた。
 レアアース・非鉄セクターもさえない。非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が2.6%安、ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が1.9%安、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が1.7%安、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が1.2%安で前場取引を終えた。
 半面、石油・石炭セクターはしっかり。中国石油化工(386/HK)が4.3%、中国石油天然気(857/HK)が3.9%、中国海洋石油(883/HK)が2.9%、エン鉱能源集団(1171/HK)が2.6%、中国神華能源(1088/HK)が2.2%ずつ上昇した。
 他の個別株動向では、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が11.2%高。4〜6月期決算の利益6倍が材料視された。
 一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.36%安の2845.37ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。インフラ関連株、ハイテク株、消費関連株、素材株、運輸株なども売られた。半面、エネルギー株は安い。銀行株、医薬株、メディア関連も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)