『艦これ』雪風改二のフィギュアを銀細工で作ってみた 光沢と陰影が美しい繊細な造形を生み出す遠心力を使った豪快な鋳造
今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『【AG925】雪風改二シルバーフィギュア作ってみた【艦隊これくしょん】』というrakuさんの動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
ロストワックス製法にて、艦隊これくしょんより、Ag925製の雪風改二を製作しました。
次イベント向けのネタを早く仕込みたかったということでひとつ。
1/35でディテールアップした作例に挑戦しています。
制作は、MoI3Dと3D-Coatの組み合わせでデジタル原型制作。
光造形機Phrozen Sonic Mini 8kで原型出力。
あとは頑張って複製と鋳造とロウ付けと研磨を行っています。
オリジナルフィギュアを作るため、まずは3Dモデルを作成します。
キャラクターの顔を3Dモデルに凹凸で表現していきます。
土台もオリジナルデザインで作成。こちらも凹凸だけでキャラクターのイメージに合うデザインを作ります。
3Dモデルが完成したら、3Dプリンターで立体物にします。
キャラクターの表情もちゃんとわかり、細かな装飾品も綺麗に印刷されています。
この印刷物を元にシリコーンで型を作ります。
そして、シリコーンの型でワックス製のフィギュアを作成します。
こうしてできたワックス製のフィギュアを台に固定して、石膏で覆います。
そして丸ごと焼くとワックスが気化して、フィギュアの形の空洞がある石膏型が作れます。
これをロストワックス製法というのだそうです。
3Dモデル、3Dプリンター、シリコーン、ワックスと段階を経て完成した石膏の型にいよいよ銀を流し込みます。
ドロドロに溶かした銀はおよそ1000度とのこと。
型の隅々まで溶けた銀を送り込むため、型を高速で回転させます。
調べたところ、遠心鋳造と呼ばれる製法のようです。
鋳造が終わったら水で一気に冷やします。
水蒸気が石膏の型を破壊して、フィギュアを取り出せるようになるとのこと。
隙間にまだ石膏が残っていますが、フィギュアが取り出せました。
ここから仕上げに入っていきます。
石膏をブラシで落として、酸につけます。これによって表面に出た銅などの不純物を取り除きます。
酸で洗い終わると表面が真っ白に。
酸化した銀の被膜を研磨して取り除きます。
磨き終わったら銀を黒く染める薬品につけます。
そこからさらに研磨。ピカピカに磨き上げると、溝にだけ黒い色が残って陰影がはっきりした銀製フィギュアになるそうです。
そうして、ついに銀製手作りフィギュアが完成しました。
鈍く輝く光沢と、黒く染まった部分の陰影でとてもに存在感のある仕上がりです。
投稿者のrakuさんは銀細工で様々な作品を制作、販売しています。こちらの銀製フィギュアも版権イベントで販売したとのことです。