軍神:そうですね。これは一般社会でも言えることだと思います。いかにミスをしないかが人生を成功に導くので。「成功しよう!」という意識を持つより、ミスを減らす思考のほうが戦には勝てますから。

『キングダム』という漫画で、春秋戦国時代が舞台であの時代に一番強かった王翦(おうせん)がなんで強いのか。それは彼が負ける戦をしなかったから。負けないこと、即ちミスをしないこと。そこが大切なんです。

◆読解をミスった時点ですべてが終わる

――山本裕典さんのホストとしてのポテンシャル、ホスト業にフルでコミットしたらどこまで昇れそうですか?

軍神:ポテンシャルはめちゃくちゃ高いです。毎月1,000万、年間1億2,000万は普通にいきます。これは全然余裕で。ここからどこまで上がるかは未知数。そこからは彼の努力しだいかなと。

――具体的にどんなところが優れているのでしょうか?

軍神:彼の何が優れているかといったら“読解力”なんです。言われたことをちゃんと理解して、修正ができる。あれは相当努力してきた人じゃないと身につかない。俳優業をしてきたなかで磨かれた部分なんじゃないかと思います。読書家ですしね。

――軍神の指導のなかでも“読解力”はキーワードですよね。ホスト力と人間力を磨く“軍神合宿”も、国語ドリルをさせる勉強法も読解力を磨くためですし。

軍神:すべての入り口は読解です。ここをミスったらすべてが終了する。読解力をつけることが最優先事項です。

コミュニケーションで言うと、『認識』と『疑問視』があってそのあと『読解』がくるんですよ。たとえばショートカットにした女性がいたとしたら、「髪の毛切ったんだ」が『認識』ですよね。そこで「なんで切ったんだろう」と考えることが『疑問視』。そこからが『読解』です。会話やしぐさ、状況、目に見えるすべてのことから読み解いて『思考』して、相手に『伝達・表現』をする。その繰り返しがコミュニケーションなので、読解の部分でミスると、その先の思考もミスってる。意味のわからないことを発言したり表現することになっちゃう。

◆なぜ小3の国語ドリルなのか?

軍神:『認識』『疑問視』『読解』これは仕事でも人間関係でもすべての場面に当てはまります。失敗を修正するときもこのステップ。『認識』までは、みんなあたり前にする、でもそこから疑問視して、なぜそうなったのかを読解するところまでしないと人は成長しない。だから売れないホストには国語ドリルで読解を勉強させているんです。

――国語ドリルである必要性は?

軍神:国語ドリルは感情や心象だけでなくて、風景から状況を読み解くといった幅広い訓練ができるんですよ。たとえば「学校のグラウンドがオレンジに染まっている。さて、これは何時頃でしょう」みたいな問題もあったりするので。人の感情以外の部分からも考える力をつけてくれるのが国語ドリルなんです。

――ちなみにドリルが小学3年生用なのはなぜですか?

軍神:社会人になってから小学3年生の国語ドリルをやってみると、3分の1の人が解けないらしいんですよ。なのでホストたちには、レベルを測るためにまずは小学校3年生からやらせています。

女子SPA!の読者の方であれば小学5年生あたりからやるといいと思います。「小学生レベルかよ!」と思うでしょうけど、意外とミスりますよ(笑)。自分は国語や読解は昔から強いほうなんですけど不正解ありましたからね。「え? コレどこのこと言ってんの?」って。問題文の読解をミスったりして。

――軍神もミスるんですね。

軍神:ミスりますよ! 決して頭が良い人間ではないので。むしろ頭が悪いから日々勉強してます。毎日ミスりそうで怖いから学習が必要なんです。