【漫画】電車で会った“目が死んでいる”女子高生 友人との会話にあまり加わらず…「学生時代を思い出した」<作者インタビュー>
1人の女子高生を見て感じた10代の大変さについて描いた漫画「電車で目が死んだ女子高生をみた話」が、Instagramで2200以上のいいねを集めて話題となっています。
電車の中で、作者の目の前に座ってにぎやかに話していた女子高生たち。しかし、そのうちの1人が死んだような目をして、窓の外に目をやったり、携帯を見たりしながら、あまり会話にも加わらずにいました。そんな様子を見た作者が、彼女に伝えたいと思ったこととは…。読者からは、「少女よ、頑張れ!」「学生時代の自分を思い出しました」「作中の言葉、彼女に伝わってほしいですね」などの声が上がっています。
「卒業して成人すれば楽になる」と伝えたかった
この漫画を描いたのは、Instagramで漫画を発表している、漫画家のきなこさんです。きなこさんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.今回、漫画「電車で目が死んだ女子高生をみた話」を描いたきっかけを教えてください。
きなこさん「たまたま電車で目にしたワンシーンがとても印象に残ったからです。ここ最近、何カ月も漫画を描いていなかったのですが、『記憶が鮮明なうちに、今ある感情をすぐに漫画にしたい』と思い、久しぶりにスピード重視で殴り描きしました」
Q.このとき見かけた女子高生は、どうして「死んだ目」をしていたのだと思いますか。
きなこさん「目まぐるしく回転する会話に入れないというか、2人のテンションが高くて、1人が疲弊しているような印象を受けました。ひたすら『無』になってやり過ごしていたのでしょうか…。私には彼女と友人2人の空気感や温度感がまるで違って、苦しんでいるように見えたんですよね」
Q.そんな様子の彼女を見たとき、きなこさんはどのような気持ちになりましたか。
きなこさん「『10代って、しんどいよな』『こういうの、10代後半まではあったよな』と、若かりし頃の自分と重ねて、なんとも言えない気持ちになりましたね」
Q.読者の中にも、この女子高生のような思いを抱えている人がいるかもしれません。きなこさんが大人になった今、伝えたいことを教えてください。
きなこさん「『卒業して、成人すれば、楽になるよ!』と伝えたいですね。少なくとも私はそうでした。コミュニティーは学校だけではなく、いろいろなところで作れます。持ち物や情報で友情を証明する必要もありません。『だから、それまでしぶとく生きて!』」
Q.漫画「電車で目が死んだ女子高生をみた話」について、どのような意見が寄せられていますか。
きなこさん「『この娘の気持ち分かる』『自分の10代の頃を思い出しました』『どうして女子はこうも大変なのか…』など、共感するコメントを多数頂きました。
また、『本当に大変なのは彼女じゃなくて、現実を生きているこの友人たちの方かもしれない』といった違う角度からの意見もあって、いろいろと考えさせられましたね」
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
きなこさん「初めて描いたのは、小学生のときですね。SNSでは主に私自身の幼少期や中学生の頃のエピソード、育児や日常のエピソードなどを描いています」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
きなこさん「エッセイ漫画を描く際は、自分が見たままに、自分の心が揺れたエピソードを表現していきたいです」