坂口憲二『ほんとにあった怖い話 25周年スペシャル』©︎フジテレビ

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 8月17日21時よりフジテレビ系で放送される土曜プレミアム『ほんとにあった怖い話 25周年スペシャル』に坂口憲二が出演する。

参考:坂口憲二、11年ぶり&番組史上最多3度目の『ほん怖』主演 “謎の女”役で門脇麦が共演

 実際に人々が体験した怖い話や体験を忠実に再現するリアルホラーエンターテインメント『ほんとにあった怖い話』(フジテレビ系)は、2024年で25周年。さらに“『ほん怖』クラブリーダー”を務める稲垣吾郎のリーダー就任から20周年というダブルメモリアルイヤーでもある。今回のエピソードのひとつ『共作結界』で主演を務める坂口は、『夏の特別編2010』『夏の特別編2013』以来、11年ぶりの出演となり、通算3度の出演は番組史上最多となっている。

 『ベストフレンド THE BEST FRIEND』(テレビ朝日系)で俳優デビューを果たした坂口は、そのワイルドなルックスと佇まいで人気を博し、『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)を筆頭に、『プライド』(フジテレビ系)、『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)、『いつもふたりで』(フジテレビ系)などのヒット作に出演。2000年代を代表する俳優のひとりとして活躍した。

 中でも彼を一躍時の人とした作品が主演作『医龍 Team Medical Dragon』(フジテレビ系)だろう。同作はかつて難民キャンプで世界レベルの救命医療チーム「チーム・メディカル・ドラゴン Team Medical Dragon」のリーダーだった天才外科医が、腐敗した大学病院の病巣に次々とメスを入れ、大きな権力に立ち向かっていくメディカルドラマ。稲森いずみ、水川あさみ、小池徹平、阿部サダヲといった豪華なキャスト陣の共演はもちろん、現代の医療の問題に鋭く切り込んだストーリーが話題となり、その後、第4シリーズまで続く人気シリーズとなった。

 坂口と言えば、天才外科医・朝田龍太郎というイメージがついているほど、『医龍 Team Medical Dragon』シリーズの影響力は計り知れない。龍太郎は他者を寄せ付けないクールで強面な一面もあるが、誰よりも患者を救いたいという強い信念を持っており、次々とオペを的確にこなしていく。龍太郎は背中に龍の形に似た大火傷を負っているが、時折見せる坂口の鍛え上げられた身体と相まって、役柄への説得力が生まれていた。 

 2018年に国が指定する難病「特発性大腿骨頭壊死症」を発症していることを発表し、無期限での芸能活動休止を発表。しかし、2023年にサントリー生ビールのCMに出演したことを皮切りに、フジテレビ開局65周年特別企画テレビドラマ『風間公親-教場0-』で9年ぶりに俳優業への復帰を果たした。木村拓哉演じる風間公親の“裏のバディ”柳沢浩二を演じた坂口は、以前にもまして渋みを増しており、ブランクを感じさせない迫力のある演技を見せていた。

 そこから1年が経ち、『ほんとにあった怖い話 25周年スペシャル』で坂口が出演する『共作結界』は、坂口演じる木下政志が、入院した古めかしい総合病院で“謎の女”(門脇麦)に出会い、恐怖体験に巻き込まれていく。病院が舞台の王道のストーリー展開で、あらすじを見ているだけでも鳥肌が立ってしまうほどだが、坂口を見ているとどこか安心感がある。

 坂口は出演に際して「今回は25周年SPということで内容もいつも以上にパワーアップしております。自分も作中では本当にビビり散らかしています(笑)」とコメントしており(※)、これまで以上にホラー度の高い作品となっていることが期待される。今回は平凡な会社員という役どころではあるが、坂口はむしろクセのない役のほうが似合うとさえ思う。歳を重ね、表情や仕草に深みを増した坂口は、スター性を兼ね備えつつも以前よりも人間らしさが生まれており、そこに存在するだけで惹きつけられる魅力がある。11年ぶりにカムバックを果たした『ほんとにあった怖い話』でどのような恐怖を届けてくれるのか。坂口の人間味あふれる表情に期待したい。

参照※ https://realsound.jp/movie/2024/08/post-1742528.html(文=川崎龍也)