人生の転機「失意の中で見つけた本当の願い」/永嶋 泰子
人生のどん底にあるとき、運命を呪うことはあっても祝福することはないでしょう。
それが、人間としての正直な気持ちです。
私もそうでした。
しかし、どん底を乗り越えたとき「あの出来事のおかげで、いまの私がある」と思えるようになったのです。
失ったものは取り戻せませんが、代わりに新たな出会いに恵まれたのでした。
しかし、ここに至るまでには様々な苦悩と試行錯誤がありました。
今回は、そのプロセスを脱皮して「あの出来事のおおかげで。いまの私がある」と言えるようになるきっかけをお届けいたします。
成長とは?
人が精神的に成長するのはどんなときだと思いますか?
あなたも自分自身の経験から考えてみてください。
夜も眠れないような苦悩や精神的に押しつぶされそうな日々を乗り越えた時ではなかったでしょうか?
火事場の馬鹿力というように、人はどうしようもなくなると脳をフル回転させ、生き残る術を見出そうとする性質があります。
私自身、33歳のときに初めてそれを経験しました。
「もう、生きている意味はない」と思う出来事があったのでした。
当時、第一子を生後29日で亡くした私は子どもを失った悲しみに打ちひしがれていました。
生きる希望を失い、意味を無くしていたのです。
絶望から希望を手に入れるまで
しかし、少しずつ気持ちが落ち着いてきた時に「本当は何をしたいのか」と自分に質問をしてみました。
「もう一度、我が子をこの腕に抱きたい。お母さんになりたい」
それが、私の正直な気持ちでした。
しかし、子どもは授かりものです。
配偶者も子どもを亡くして同じように辛い思いをしています。
相手のことを考えると「もう一度お母さんになりたい」ということを伝えることは、ためらわれました。
相手は「もう二度とこんな思いはしたくない」と思っているかもしれないからです。
そのような中で、正直な気持ちを伝えることで相手との間に溝が生まれるのではないか、と恐れたのでした。
このまま子どもを持たずに夫婦で生きる道も考えました。
けれども、「お母さん」になりたいという思いはあきらめられなかったのです。
気持ちを伝える
さて、自分の気持ちと相手の気持ち。
この板挟みになった私はどうしたのでしょうか。
結果的には、自分の気持ちを正直に伝えることを選びました。
自分の気持ちに蓋をすることなどできなかったのです。
自分の気持ちに正直に生きるようになってから、私の人生は好転していきました。
子どもを亡くし打ちひしがれ、運命を呪っていた私が、運命とは自分で切り開いていくもの、ととらえることができるようになったのです。
ときに運命は非情な出来事を投げかけてきます。
しかし、実はチャンスなのです。
「どのように生きたいのか」ということを見つけることができるからです。
人はそこそこ幸せであれば、「いまのままでもいいかな」と思ってしまう生き物です。
しかし、夜も眠れないほどの苦悩、精神的に押しつぶされそうな出来事に出会うことで本当の自分の希望を知ることもできるのです。
あなたが「本当に望む」ことを正直に実行していくと、あなた自身の運命が開かれていきます。
決して、運命はあなたを見放したりしません。
あなた自身が、あなたらしく生きていくことを望んでいるのです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
何かの参考になれば幸いです。