Appleが映画・テレビ投資を削減へ ─ Apple TV+の一ヶ月視聴者数、Netflixの一日分も下回る

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Appleが、ハリウッドにおける映画・テレビシリーズへの投資を削減する方向性であることがわかった。米が報じている。

2019年、Appleは自社のストリーミングサービス「Apple TV+」を開始し、オリジナルの映画・テレビシリーズのために巨額を投じてきた。マーティン・スコセッシ監督『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2022)やリドリー・スコット監督『ナポレオン』(2022)のほか、ドラマでも「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」(2020-2023)や「セヴェランス」(2022-)などの人気作を多数送り出し、数々の賞に輝いている。

しかし、課題はなかなか数字がついてこないことにあった。オリジナル映画は劇場興行的にヒットしないことが多かったが、Appleは映画の劇場公開を自社サービスの宣伝と捉える傾向にあったため、既存の映画スタジオとは異なる戦略で興行ビジネスに取り組んできた。ところが、肝心のApple TV+の視聴者数が伸び悩んでおり、米国ではテレビ視聴者数のわずか0.2%にとどまるほか、1ヶ月間の視聴者数はの1日ぶんにも及んでいないという。

一連の投資と赤字を経て、多くのスタジオやストリーミング企業と同じく、Appleもコスト削減に動き出した。ティム・クックCEOの右腕である幹部のエディ・キューは、Apple TV+を統括するザック・バン・アムバーグ&ジェイミー・エルリヒトと定期的にミーティングを行い、予算の削減とコントロールを要求しているという。

すでに「セヴェランス」や「ファウンデーション」(2021-)の新シーズンはコストの削減が求められているほか、他の成功していないシリーズは早めに打ち切る方針となった。製作費が超過した場合は自社以外にも負担を要求するほか、オリジナル作品への依存度を抑えて他社作品のライセンスを購入し、一方では数年前ならシリーズ化されていたであろう作品の発注も見送っているという。

もっともApple TV+は、既存のラインナップが示しているように充実した作品群こそが最大の魅力だ。ブラッド・ピットとジョージ・クルーニーが久々の共演を果たす映画『ウルフズ』(9月20日公開)や、日本を舞台としたA24共同製作のドラマ「サニー」(2024)などの注目作を、今後どのようにアピールしていけるか。さらなる動きに注目したい。

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