オーストラリア競泳男子400メートル自由形のサミュエル・ショート(右)とエライジャ・ウィニントン(中央、2023年6月13日撮影)。(c)William WEST / AFP

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【AFP=時事】パリ五輪に出場する競泳オーストラリア代表チームのコーチ1人が25日、自国の選手2人を抑えて韓国選手が優勝すると支持したため、強制帰国の可能性に直面している。

 豪代表チームのコーチを務めるマイケル・パルフリー(Michael Palfrey)氏は韓国メディアに対し、男子400メートル自由形では自国のサミュエル・ショート(Samuel Short)とエライジャ・ウィニントン(Elijah Winnington)よりも、韓国の金遇旼(Kim Woo-min)が金メダルを獲得することを願うと話した。

 いずれも世界水泳選手権(World Aquatics Championships)の元王者である3人は、ラ・デファンス・アリーナ(La Defense Arena)で行われる競泳初日の27日に激突する。

 豪競泳代表チームを率いるローハン・テーラー(Rohan Taylor)ヘッドコーチ(HC)は、「非常にがっかりした。極めて失望した」「チームの指導者として、自分たちの選手より他国の選手を応援するのは受け入れられない」と不快感を示し、「オーストラリア人でない選手を応援するのは、正直言って非オーストラリア的だ」と述べた。

 テーラーHCは、選手たちの要求とチーム内の不満のバランスを取りつつ、パルフリー氏がチームにとどまるか否かについての決定を「遅かれ早かれ」下す必要があると述べている。

 パルフリー氏は男子のザック・インセルティ(Zac Incerti)をはじめ、女子のアビー・コナー(Abbey Connor)とアレクサンドリア・パーキンス(Alexandria Perkins)を担当している一方で、大会前には豪ブリスベンで金も指導していた。

 豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドによると、パルフリー氏は韓国記者団とのインタビューの際に、オーストラリアのチームカラーを着用していた中、金への期待を口にした際には「ゴー、韓国」と話していたという。

【翻訳編集】AFPBB News

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