中京記念はアルナシームに注目!

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 今、競馬界でトレンドとなっている予想理論のひとつに「回顧系」が挙げられます。回顧系とは、過去のレース映像を見直して、競馬新聞の馬柱からは読み取れない“不利”を受けている馬を拾い出す手法。かなりメジャー化しているのにもかかわらず、いまだに一定の有効性を保っているのは、全レースの映像を見直すのに手間が掛かるからでしょう。
 逆に言えば、時間を掛けずに回顧することができたら、これほど強力な手法はありません。その“回顧の時短化”に成功したのが、新鋭の予想家Orfe氏です。

 Orfe氏が活用する予想理論「後出し回顧Log」は、予想の時短化に成功しただけでなく、その名の通り「後出し」の要素を付け加えることで、通常の回顧以上の的中率を実現しているのだとか。

 ということで今回は、馬券術「後出し回顧Log」の提唱者であるOrfe氏にその詳細について語っていただくとともに、今週末の注目馬についても教えてもらいました。

◆時間が無いからこそ辿り着いた手法

--まずは簡単な自己紹介からお願いします。

Orfe氏:Orfeという名前で予想活動を行なっています。馬券を買い始めたのは12〜13年前からで、ハンドルネームもその頃に応援していたオルフェーヴルが由来ですね。ただガッツリ予想に取り組むようになったのはここ4〜5年ぐらいです。

もともとは血統派で、配合分析が中心の“ロマン派”でもあったので、分析に時間は掛かるし、その割に馬券に直結しにくいなと感じていました。会社勤めの身ですし、少年サッカーのコーチもしていて競馬に割ける時間が限られている中でもしっかり競馬に向き合いたいと思って、効率的にレース回顧ができる「後出し回顧Log」を始めました。

--どういった部分が効率的なのでしょうか?

Orfe氏:レース回顧というと、スタートからパトロールビデオを見直して、各馬の有利不利をチェックするというのが一般的だと思います。ただ、それだと物凄く労力が掛かるので、「4コーナーの位置取り」だけを見ることにしました。4コーナーの隊列をスクリーンショットで撮って、「内・外」「前・後」のどちらが有利なバイアスだったかをチェックするのです。慣れれば1レース2〜3分で終わりますが、分析を重ねていくうちに、これだけでも十分に回顧として意味があることわかってきました。

◆“不利な状況なのに好走した馬”を次走で狙う

--4コーナーで内を通った馬が上位に多く入っていれば「内有利・外不利」、4コーナーで前にいた馬が上位に多く入っていれば「先行有利・差し不利」と考えるということですね。

Orfe氏:具体的には「内有利」「外有利」「前有利」「後有利」「フラット」という5つのレースバイアス(傾向の偏り。以下RBと表記)を設定しています。そして、RBをベースに競走馬を以下の5段階にランク分けしています。

前走ランクS→RBに反して馬券内(3着以内)に好走した馬。能力上位である可能性が高く、次走最優先で狙いたい。
前走ランクA→RBに反して好走した4・5着+5着馬とタイム差なしの馬。クラス上位の力を秘めている可能性が高く、次走優先して狙う。
前走ランクB→RBに恵まれて馬券内(3着以内)に好走した馬。RBに恵まれれば能力的に通用する。
前走ランクC→RBに恵まれず凡走した馬。RBに恵まれれば好走の可能性を残す。
前走ランクD→RBに恵まれながら凡走した馬。余程の理由がない限り次走は消せる。

手法としては、前走でRBに反して好走した「前走ランクS」(場合によっては前走ランクA)の馬を狙うのが基本です。一般的なレース回顧系の予想では、RBに恵まれずに凡走した馬(前走ランクC)の巻き返しをメインに狙うケースが多いと思うのですが、この中には単純に能力不足だった馬も含まれてしまいます。私の場合はRBに恵まれなかったのに3着以内に好走した馬を狙うので、高い的中率が担保されているのが特徴です。