犬に絶対NGな「水の与え方」

犬の体の約60~70%は水分で出来ており、体温調節や老廃物の排出など様々な役割を担っています。

このように犬の生命活動を維持する大切な水ですが、間違った与え方をしてしまうと愛犬の健康に害を及ぼすことも。

そこで今回は、犬に絶対NGな「水の与え方」をについて解説します。今一度、ご自身の愛犬への水の与え方を確認しておきましょう。

1.丸一日置きっぱなし

朝ごはんのときに入れて与えた水を、夜まで一日中そのまま置きっぱなし…。そのような事態になってはいないでしょうか。

犬が水を飲むと、唾液も一緒に水の中に入ります。そのまま放置すると唾液に含まれる菌が繁殖するため、長時間置きっぱなしは良くありません。

最低でも、1日2回は取り替えるようにしましょう。特に夏場は傷みやすくなるので注意が必要です。朝晩と散歩の後、など決まったタイミングで交換すると習慣づけがしやすくなります。

2.直射日光の当たる場所に置く

「日当たりがいいから…」と思い、日差しの強い窓辺にドッグフードと一緒に水を置いていませんか。よかれと思ってのことかもしれませんが、日光が当たると途端に傷みやすくなります。

日光に当たり続けた水を飲むと、お腹を壊して体調を崩してしまう可能性もあります。

愛犬の飲水量が減っていると感じる場合は、水がぬるいことも原因かもしれません。このようなことから、直射日光が当たる場所に水を置くことはやめましょう。

3.水飲み容器を洗わない

当たり前のことですが、愛犬の水飲み容器はその都度洗いましょう。

水を入れているだけ、と思われるかもしれませんが、ドッグフードを食べた後に水を飲むと、水の中にフードの油分も混入します。特にプラスチック容器は細かい傷がつきやすく、細菌の温床となりやすい材質です。目には見えないだけで、かなりの数の細菌が繁殖していると考えたほうが良いでしょう。

そのような危険な水を愛犬に飲ませることはできませんよね。たとえ見た目には綺麗だったとしても、容器はこまめにしっかりと洗ってください。

4.飲みづらい容器で与える

水飲み容器は愛犬に合ったものを使用することが大切です。材質もプラスチックや陶器、ステンレスなど様々です。中にはプラスチックにアレルギー反応を示す犬もいるので、注意が必要です。

ケージに取り付けるノズルタイプの給水器は、出てくる飲水量が少なく十分な量を飲めないことがあります。子犬期は良いのですが、成犬以降は適度な深さがあるボウルタイプがおすすめです。飲み口が広いと、ゴクゴクと満足するまで水を飲むことができます。

5.犬にとってNGな水を与える

犬にどんな水を与えるべきか、疑問に思ったことはありませんか。

実はシンプルに『水道水がベスト』といわれています。厳しく管理された安全性の高い水道水は、常に新鮮な水を手軽に与えることができます。

反対に、犬に与えてはいけないNGな水も存在します。水たまりや海・川の水は、多くの雑菌や寄生虫、犬の健康への効果が判明されていない側面もあります。

また、硬水も絶対にNGとはいいませんが、体質によってはお腹が緩くなったり、飲みづらさを感じて飲水量が減ってしまう恐れもあります。炭酸水やフレーバー水も与えてはいけません。

犬への正しい水の与え方とは

では、どのように水を与えるのが正しいのでしょうか。

気を付けるべきポイントは以下の通りです。

いつでも新鮮な水を飲めるようにする 水飲み場を数か所設ける 常温で与える

飲みたいときにすぐ飲めるように、新鮮な美味しい水を用意しておきましょう。もちろん、1日に数回交換することも忘れずに。

また、水飲み場は1か所ではなく、数か所置いておくこともおすすめです。少し歩いたところに水飲み場があると、気軽に水分補給ができます。

水は基本的に常温で与えます。ただ、夏は冷たい水、冬はぬるま湯など季節によって変えても問題ありません。愛犬が美味しそうに飲んでくれる水が合っている温度帯です。お腹を壊しやすい子は様子を見てあげてくださいね。

まとめ

今回は、犬に絶対NGな「水の与え方」について解説しました。

人間同様、犬にとっても水分は生きる上で欠かせない非常に大切なものです。今回ご紹介したNGな与え方は避け、いつでも新鮮な水を飲めるようにしてあげましょう。

なお、もし愛犬の飲水量が極端に減ったり増えたりした場合は、その裏に病気が隠れているかもしれません。気になるようであれば、迷わず動物病院を受診してください。

暑い季節になってくると、水分補給がとても重要です。適切に水分補給ができているかどうか、愛犬の様子を注意深く観察してあげてくださいね。


(獣医師監修:後藤マチ子)