逃げ惑う自分の子供を次々と…母子4人死亡「幼児の目の前で母親を殺害」46歳男の許されざる犯行動機

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警察によると、男からは亡くなった家族への反省の言葉は聞かれず淡々と犯行にいたった動機を話しているという。本紙カメラマンが撮影した送検時の男の様子からも、同様の印象を受ける。鋭い視線を周囲に送り、意気消沈したようなそぶりを見せなかったのだ。

6月19日に警視庁捜査1課が殺人の疑いで逮捕したのは、住所不定で無職の後藤祐介容疑者(46)だ。後藤容疑者は、東京都品川区内で同居していた元妻で介護福祉士の高波冬美さん(37)を殺害したとされる。

「逮捕容疑の事件は、今年5月22日午後5時頃から翌日午後1時までの間に起きました。後藤容疑者は、品川区内の2階建住宅で高波さんの胸など数ヵ所を包丁で刺し殺害したとされるんです。遺体が発見されたのは1階の玄関近くの和室。同じ部屋の布団には、刺しキズのある2歳から6歳の3人の子供の遺体も見つかっています。

後藤容疑者は高波さんを殺害後、自宅に火を放ち自らも刃物で自分の首を切り無理心中をはかろうとしました。後藤容疑者のキズは浅く命に別状はありません。煙を吸い火傷を負っていたため、駆けつけた消防隊員により病院へ搬送。回復を待って逮捕にいたりました。後藤容疑者は警察の調べに対し『間違いありません』と犯行を認めています」(全国紙社会部記者)

消防署へ119番通報があったのは5月23日の午後2時頃。近くに住む親族から「焦げ臭いにおいがするけどカギがかかっていて家の中へ入れない」と連絡が入ったのだ。警察によると、死因は高波さんと3歳の次女が刃物で刺されたことによる失血。6歳の長女と2歳の長男は、一酸化炭素中毒とされる。

事件発覚3日前に離婚

現場は戸越銀座商店街に近い住宅街だ。近隣住民からの評判が良かったという一家に、どんなトラブルがあったのだろう。

「高波さんと後藤容疑者は、家事や育児の分担などについて揉めていたそうです。明確な理由はわかりませんが、高波さんは勤めていた介護施設を1年ほど前に退所。後藤容疑者はフリーランスとして動画編集の仕事をしていましたが、うまくいかず、ほとんど収入もなく行き詰まっていたとか。

お互い不安定な精神状態だったのかもしれません。2人に離婚の話が出たのは今年に入ってからです。事件発覚3日前の5月20日に離婚が成立。後藤容疑者は5月27日までに事件現場となった住宅から出て行く予定でした」(同前)

後藤容疑者は、高波さんを殺害した動機について次のように話しているという。

「(事件当日に)『今すぐ出ていけ!』と言われカッとなって刺しました。怒りを抑えきれませんでした」

さらに子供3人の殺害についても関与を示唆。幼児たちの目の前で母親を殺害したとし、こう許されざる供述をしているという。

「母親が死んだうえに父親が逮捕されたら可哀想だと感じました。親が殺人犯になったら子供たちが不憫。(家に火をつけたのは)子供も自分も燃えてなくなってしまえばいいと思ったからです」

後藤容疑者は高波さんを殺害後、逃げ惑う子供たちを次々に刺した可能性がある。時事通信などの報道によると、リビングの食卓には手をつけられていない夕食が残されていたという。