「38歳には見えない」「3人のママなんて」…!上戸彩が出産後の10年間、好感度が落ちない「圧巻の理由」

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バラエティ出演は貴重」の認識

上戸彩バラエティ連続出演がネットニュースとして次々に報じられている。

まず17日放送の『しゃべくり007』に6年ぶり出演し、続く20日には『ぐるぐるナインティナイン』のゴチバトルに11年ぶり出演。さらに、23日には『ニノさん』と『おしゃれクリップ』、24日にも『世界まる見え!テレビ特捜部』に出演する。『おしゃれ』は1時間SP、『世界まる見え』は2時間SPの特番仕様であることからスペシャルゲストという扱いがわかるだろう。

これらはいずれも日本テレビバラエティであり、上戸が声優を務める映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』の宣伝絡みだが、ネット上にはコメントが飛び交い、記事が量産されている。しかもその多くが「相変わらずかわいい」「38歳には見えない」「3人のママなんて信じられない」などの称賛で占められていた。

上戸は2015年の第1子出産以降、子育てを優先。女優としての仕事は2022年の連続ドラマ『となりのチカラ』(テレビ朝日系)以外、単発ドラマや映画がほとんどで、その姿を見かけるのは、主にCMと12月の『M-1グランプリ』(ABC・テレビ朝日系)程度だった。だから「現在のバラエティ連続出演は貴重なこと」とみなされているところもあるのだろう。

つまり「この約10年間は露出が少なかったにもかかわらず、その人気と好感度はほとんど損なわれていない」ということになる。やや意地悪な見方をすれば、要領のいい仕事ぶりはアンチもいそうなのに、それが極めて少ないのはなぜなのか。

出産後の活動を掘り下げていくと、上戸彩のブレないブランディングが見えてくる。

ファミリー層に訴求できる出演作

今回の「しゃべくり007」出演で上戸は登場時に「ママになってキレイ度アップした有名人ランキング1位」と紹介された。その「ママになって」というイメージがこの10年間ブランディングのベースとなっている。

上戸は2015年に第1子、2019年に第2子、2023年に第3子を出産。この間ドラマでは、2018年の『太陽を愛したひと 〜1964あの日のパラリンピック〜』(NHK総合)で主演・向井理の妻役、2019年の『僕が笑うと』(カンテレ・フジテレビ系)で主演・井ノ原快彦の妻役、『となりのチカラ』で主演・松本潤の妻役、2023年の『ひとりぼっち -人と人をつなぐ愛の物語-』(TBS系)で出産を控える妊婦役を演じてきた。

さらにアニメ映画では、2018年に『名探偵コナン ゼロの執行人』、2024年に『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』。また、ディズニー映画では、2016年に『ズートピア』、2019年に『マレフィセント2』、2023年に『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-』と『ウィッシュ』に出演した。

その他では、今年2月18日放送の『ザ・ノンフィクション』「僕を産んでくれたお母さん〜言葉を失ったママと家族の4年〜」(フジテレビ系)のナレーションを担当。最近のCMでは、丸亀製麺「鬼おろし肉ぶっかけ」、明治「おいしい牛乳」、カルビー「ザ厚切り」、LION「クリニカPRO」などファミリー層がターゲットの商品への起用が目立っている。

ドラマにおける主人公の妻役は出番が少ないながらも存在感があり、主婦のイメージを得られる“おいしい役”。アニメやディズニー、ナレーション、CMなども含め、出演のほとんどがファミリー層に訴求できるコンテンツであることがわかるだろう。

10代の発言が現在につながっていた

もちろん制作サイドのオファーあってのものだが、ここまでブレないのは上戸サイドのブランディングによるところも大きいはずだ。

上戸は10代のころから「保育士になることが夢」と言い続け、20歳でそれをあきらめたときに「チャイルド・ケアライセンス」という資格を取得するなど、妊娠・出産前から「子ども好き」「いいお母さんになりそう」という好イメージを与えていた。

その意味でこの10年間の活動は上戸にしてみれば、「ブランディングではなく、自分のやりたいことをしているだけ」なのかもしれない。しかし、子育てがベースの日々を送りながらも、他の女性芸能人をしのぐ好感度を保っていることや、コスパ・タイパのいい仕事をしているのは事実。むしろ乳児を含む3人の子育てをしているだけに、そのコスパ・タイパの良さは「母として凄い」「憧れる」などのポジティブな印象につながっている。

また、今回のようなバラエティへの番宣出演における姿も上戸の好感度を保つ理由の1つだろう。『しゃべくり007』では練馬区の巨大団地出身であることや貧乏話を明かしたほか、「テレビ初登場」の実兄との仲良しエピソードも披露した。さらに上戸のことをよく知る小・中・高の同級生も多数出演。当時の恥ずかしい暴露を受けても「全然覚えてないです」と屈託なく笑い飛ばすなど、飾らず嫌みのない人柄を見せていた。

23日放送の『おしゃれクリップ』でも同級生でママ友の蒼井優が登場。高校生時代のエピソードに加えて、仕事と家庭の両立に励み、悩む様子なども明かすという。これだけ好感度が高く、ブレない活動を続けていると、オファーする側はスケジュールの配慮こそ必要だが、構成・演出ともにやりやすいのではないか。

妊娠・出産前に『昼顔』で新境地

さらに第1子出産の直前を振り返ると、前年の2014年に『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)で不倫に溺れる主人公を演じている。それまで上戸と言えば、かつてテニスの『エースをねらえ!』(テレビ朝日系)、バレーボールの『アタックNo.1』(テレビ朝日系)、キャビンアテンダントの『アテンションプリーズ』(フジテレビ系)、あるいは『半沢直樹』(TBS系)で演じた主人公の妻役などから、元気で健康的なイメージがあった。

それだけに不倫ドラマへの出演は「新境地」と言われたが、これは見方を変えれば『昼顔』への出演で女優としての幅を広げたあとに妊娠・出産して「良き母」のイメージを得たことになる。逆に言えば、このタイミングで不倫ドラマに出演しておかなければ、妊娠・出産した2015年以降は「良き母」以外の役を演じることは難しかったかもしれない。

ちなみに上戸は第1子出産から2年後、第2子出産の2年前という絶妙なタイミングの2017年に映画版『昼顔』で主演を務めた。これを違和感なくこなせたのは妊娠・出産前に同役を演じておいたからであり、子育ての労力はもちろんのこと産前産後の体長管理なども含めて、セルフマネジメント力の高さを感じさせられる。

そしてもう1つ忘れてはいけないのは、『M-1グランプリ』への12大会連続出演。同特番はテレビコンテンツの中でも『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)と並ぶ最大の生放送コンテンツであり、影響力は大きい。

その内容は漫才の日本一決定戦だが、毎年Xには「年に一度、上戸彩の美ぼうを確認する日」という声があがり、トレンド入りするのが恒例となっている。どこまで意図的かどうかはさておき、その「美しい」というイメージを年に一度の生放送特番で更新しているところにそつのなさを感じてしまう。

厳しい日々を耐え抜いたタフさ

あらためて振り返ると、上戸は12歳の時に「第7回全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞して芸能界入り。当時はまだ身長144cmしかない小学校6年生だったが、「私の夢はCMによく出るタレントになることです」と語っていた。まだ幼い上に保育士になりたかったことから、あまり意図はなかったようだが、結果的にその状態を約20年にわたって実現してきたことに驚かされる。

夫のEXILE HIROは昨年、芸能事務所・LDHの代表取締役社長に復帰するなど多忙を極めることもあって、子育てにおける上戸の負担は大きいのではないか。自然体の彼女はそれを無理して隠そうとせず、メディア出演の際には弱音も吐いているが、乳児を含む子育てをしながら心身のコンディションを保つのは簡単ではないだろう。

しかし、上戸は10代後半から20代にかけて「睡眠時間が30分」という厳しい日々を耐え抜いたプロ意識の高さとタフさの持ち主。だからこそ今回のような「ここぞ」のバラエティ連続出演時も称賛を受ける美ぼうと振る舞いを見せられるのかもしれない。

子育てが落ち着いたころ、『3年B組金八先生』(TBS系)で演じた性同一性障害の生徒、『流れ星』(フジテレビ系)で演じた借金を肩代わりしてもらうために臓器提供する風俗嬢、『いつか日のあたる場所で』(NHK総合)で演じた昏酔強盗を繰り返して刑務所で服役した女性のような激しい役柄も再び演じていくのではないか。

それもまた上戸の強みであり、すっかり「良き母」のイメージが浸透したからこそ振り幅は大きく、その際は違う形で称賛を受けるだろう。

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