カニエ・ウェストが元従業員から性的嫌がらせや不当解雇、賃金未払いなどで提訴された。エンタメサイト「E!」を初め複数のマスコミが報じている。

同サイトによると訴えたのはかつてカニエのアシスタントとして働いていたローレン・ピショッタ。2021年7月にカニエに雇われた。当時彼女はインフルエンサーとして活動、SNSと成人向けサブスクリプションサービス、オンリーファンズで年間100万ドル(約1.5億円)の収入を得ていた。カニエは彼女を雇うときそれらの仕事を続けることを認めていたという。しかし1年後にカニエはピショッタに対して「神のようになり」オンリーファンズのアカウントを削除するように要求した。訴状によるとカニエは削除の代償として100万ドル(約1.5億円)を支払うと言ったが、支払われなかった。

さらにピショッタはアシスタントとして働いている間、不適切なメッセージや動画を多数送られたと主張している。メッセージにはカニエの性的妄想や彼があるモデルとしたセックスについて細かく描写されていた。モデルの名前は明かされていない。またあるメッセージでカニエは、ピショッタが彼とのセックスを望んでいて、実際に彼女が彼とセックスしたと仄めかしたり示唆したりした。ピショッタは「セックスは望んでいなかったし、カニエと性的関係を持ったことはない」と言っている。

またカニエは「仕事について話し合うという名目で」彼女に定期的に電話をかけてきたという。でも「電話中に自慰行為をし」た上に「自分が何をしているか聞こえるか、推測できるかどうか度々彼女に尋ねてきた」。

訴状によると2022年9月にカニエはピショッタに昇進をオファーした。カニエと従業員たちとのコミュニケーションを円滑に進める役目であるチーフ・オブ・スタッフの役職を提示され、年俸も100万ドル(約1.5億円)から400万ドル(約6.2億円)に上げると言われたという。ピショッタはその役職を引き受け、その職務をスタートさせた。しかし「カニエは彼女の仕事ぶりに非常に満足していることを表明したにもかかわらず、給与を支払わなかった」とピショッタは言っている。ちなみに携帯電話や食事代、買い物代など「チーフ・オブ・スタッフの職務遂行に必要な費用の多くを立て替えていた」と彼女は主張している。

ピショッタは2022年10月に解雇された。その際に300万ドル(約4.7億円)の退職金を提示されたが結局支払われなかったと主張している。ピショッタはカニエの「差別的、報復的で、法を逸脱した行為の結果」金銭的な損失だけでなく「深刻な精神的、肉体的苦痛を被り、今もそれは続いている」としている。カニエ側はどう対応するのか、続報を待ちたい。