「お前、今患者を殺したからな?」臨床検査技師を目指す学生が東大病院で実習に臨む!仕事×青春ストーリーに注目!【作者に聞く】
臨床検査技師という名前を聞いたことはあるけれど、具体的にどんな仕事なのかは知らないという人も多いのではないだろうか。今回はそんな仕事の現場を知ることができる漫画「リンケンっ 東京大学医学部付属病院実習録」をご紹介。現役の臨床検査技師である作者のまるちゃん麺(@marumarumt)さんが、自身の経験をもとに描いた創作漫画だ。まるちゃん麺さんにも漫画を描いたきっかけや、気になる今後の展開について聞いてみた。
【漫画を読む】東京大学医学部付属病院での実習先は絶対にミスが許されない「輸血部」
■臨床検査技師を目指す大学生たち。東京大学医学部付属病院での実習に臨む!
近藤美琴は、臨床検査技師を目指す大学3年生。同じ大学の3人の仲間とともに、今日からいよいよ半年間の実習が始まる。実習先は日本で最高峰の医療と技術を誇る東京大学医学部付属病院。美琴がまず行くことになったのは「輸血部」。クールで学年1位の秀才・鈴木晃も一緒だ。2人を待つ輸血部とはいったいどんな場所なのだろうか…?
■実習を題材に、学生と現場の両方の視点を描く。魅力的な登場人物たちにも注目!
臨床検査技師の仕事は、医師の指示のもと血液や心電図などのさまざまな検査を行い、患者の身体のデータを測定すること。そして医師がそのデータをもとに診断し、適切な治療につなげていく。まるちゃん麺さんは、なぜ臨床検査技師を志したのだろうか。
「もともと理科や顕微鏡、生き物が好きでその分野の成績はよかったので、高校の担任の先生に『だったら獣医はどうか?』と言われて都内の大学へ見学しに行ったのがきっかけです。そのとき大学内で見た臨床検査技師に惹かれて、獣医ではなくこっちの道に進みました」
美琴をはじめとした実習生たちが切磋琢磨し、なんだか恋が始まりそうな予感もする青春ストーリーと、専門知識を交えた解説で読み応えのある内容となっている今作。実際の現場ではなく実習に焦点を当てた物語にしようと思った理由について聞いてみた。
「学生の視点と、現場の視点と両方で伝えられるものがあるんじゃないかなと思って実習に焦点を当てました。それにフィクションも盛り盛りにしていますが、実際の現場で働いていたスタッフの人たちのキャラも本当に濃かったので、漫画向けだなと思ったからです(笑)」
ちなみに、実際の現場ではどんな人たちが多いのか聞いてみると「ズバリ『真面目』で『オタク』気質の人が多いと思います!!専門分野を追求していく職種になるのでそういった方が集まるのかなと…」とのことだった。
■「お金を稼ぎたい人にはこの職種は向いていない」現役の今も心に残る実習中の言葉
検査のスペシャリストである臨床検査技師。目立つ仕事ではないかもしれないが、医療の現場を支える重要な存在だ。まるちゃん麺さんは、実習中に言われた言葉が今も心に残っているという。
「技師長が『お金を稼ぎたい人はこの職種には向いていない』と言っていたのが今でも印象深いです。それは決して臨床検査技師の給料が低い…という訳ではなく、医療技術者の中では確かに低めではあるのですが(笑)、とても深い意味があったのです。今後はその辺りのエピソードも描いていこうと思っています。あとはやっぱり輸血検査部で怒られたときに言われた『お前、今患者を殺したからな!?』ですね…。あれは脚色せずにそのまま実際に言われた言葉なんです。あのときは本当にすみませんでした…」
読者が登場人物を自分の推しにしてくれたり、同業者から「おもしろい!」と言われたりすることが、漫画を描く励みになっているというまるちゃん麺さん。誰もが楽しく読める漫画の構成は、描くときに気を付けているポイントでもあるそうだ。
「同じ臨床検査技師さんが見て『そうそう、わかる!』とか『おもしろい!』と思ってもらえるように描くことを意識しました。でもそっちに振りすぎると一般の方は『なんのこっちゃ?』と思ってしまうので、そのバランスがすごく難しかったです…。次の部署を描くうえでの課題だと思っています」
現在、物語は「輸血部編」が完結したところ。美琴は、次はどこの部署へ行くのだろうか。最後に、気になる今後の展開について聞いた。
「次の実習先は『感染制御部』になっています!何の分野かというと『微生物』です!もうね、これだけで濃ゆ〜い感じがわかるかと思うのですが…(笑)。ここも個性的なスタッフが多かったのでぜひチェックしてほしいです!!遅筆で申し訳ないのですが、長い目で温かく見守っていただけますと幸いです。これからもどうぞまるちゃん麺をよろしくお願いします!!!」
まるちゃん麺さんの漫画「リンケンっ 東京大学医学部付属病院実習録」はブログとInstagramで公開中。ブログでは先読みもできるので、ぜひ読んでみてほしい!
取材・文=松原明子
■臨床検査技師を目指す大学生たち。東京大学医学部付属病院での実習に臨む!
近藤美琴は、臨床検査技師を目指す大学3年生。同じ大学の3人の仲間とともに、今日からいよいよ半年間の実習が始まる。実習先は日本で最高峰の医療と技術を誇る東京大学医学部付属病院。美琴がまず行くことになったのは「輸血部」。クールで学年1位の秀才・鈴木晃も一緒だ。2人を待つ輸血部とはいったいどんな場所なのだろうか…?
■実習を題材に、学生と現場の両方の視点を描く。魅力的な登場人物たちにも注目!
臨床検査技師の仕事は、医師の指示のもと血液や心電図などのさまざまな検査を行い、患者の身体のデータを測定すること。そして医師がそのデータをもとに診断し、適切な治療につなげていく。まるちゃん麺さんは、なぜ臨床検査技師を志したのだろうか。
「もともと理科や顕微鏡、生き物が好きでその分野の成績はよかったので、高校の担任の先生に『だったら獣医はどうか?』と言われて都内の大学へ見学しに行ったのがきっかけです。そのとき大学内で見た臨床検査技師に惹かれて、獣医ではなくこっちの道に進みました」
美琴をはじめとした実習生たちが切磋琢磨し、なんだか恋が始まりそうな予感もする青春ストーリーと、専門知識を交えた解説で読み応えのある内容となっている今作。実際の現場ではなく実習に焦点を当てた物語にしようと思った理由について聞いてみた。
「学生の視点と、現場の視点と両方で伝えられるものがあるんじゃないかなと思って実習に焦点を当てました。それにフィクションも盛り盛りにしていますが、実際の現場で働いていたスタッフの人たちのキャラも本当に濃かったので、漫画向けだなと思ったからです(笑)」
ちなみに、実際の現場ではどんな人たちが多いのか聞いてみると「ズバリ『真面目』で『オタク』気質の人が多いと思います!!専門分野を追求していく職種になるのでそういった方が集まるのかなと…」とのことだった。
■「お金を稼ぎたい人にはこの職種は向いていない」現役の今も心に残る実習中の言葉
検査のスペシャリストである臨床検査技師。目立つ仕事ではないかもしれないが、医療の現場を支える重要な存在だ。まるちゃん麺さんは、実習中に言われた言葉が今も心に残っているという。
「技師長が『お金を稼ぎたい人はこの職種には向いていない』と言っていたのが今でも印象深いです。それは決して臨床検査技師の給料が低い…という訳ではなく、医療技術者の中では確かに低めではあるのですが(笑)、とても深い意味があったのです。今後はその辺りのエピソードも描いていこうと思っています。あとはやっぱり輸血検査部で怒られたときに言われた『お前、今患者を殺したからな!?』ですね…。あれは脚色せずにそのまま実際に言われた言葉なんです。あのときは本当にすみませんでした…」
読者が登場人物を自分の推しにしてくれたり、同業者から「おもしろい!」と言われたりすることが、漫画を描く励みになっているというまるちゃん麺さん。誰もが楽しく読める漫画の構成は、描くときに気を付けているポイントでもあるそうだ。
「同じ臨床検査技師さんが見て『そうそう、わかる!』とか『おもしろい!』と思ってもらえるように描くことを意識しました。でもそっちに振りすぎると一般の方は『なんのこっちゃ?』と思ってしまうので、そのバランスがすごく難しかったです…。次の部署を描くうえでの課題だと思っています」
現在、物語は「輸血部編」が完結したところ。美琴は、次はどこの部署へ行くのだろうか。最後に、気になる今後の展開について聞いた。
「次の実習先は『感染制御部』になっています!何の分野かというと『微生物』です!もうね、これだけで濃ゆ〜い感じがわかるかと思うのですが…(笑)。ここも個性的なスタッフが多かったのでぜひチェックしてほしいです!!遅筆で申し訳ないのですが、長い目で温かく見守っていただけますと幸いです。これからもどうぞまるちゃん麺をよろしくお願いします!!!」
まるちゃん麺さんの漫画「リンケンっ 東京大学医学部付属病院実習録」はブログとInstagramで公開中。ブログでは先読みもできるので、ぜひ読んでみてほしい!
取材・文=松原明子