ピクサーが全従業員の14%に相当する175人を解雇、ストリーミングから長編映画重視にシフト
現地時間の2024年5月21日、ウォルト・ディズニー・カンパニー(ディズニー)傘下のアニメーション制作会社であるピクサーが、全従業員の14%に相当する175人を解雇したことが明らかになりました。
Pixar: Layoffs Hit Storied Animation Studio (Exclusive)
https://www.hollywoodreporter.com/business/business-news/pixar-layoffs-hit-storied-animation-studio-1235904847/
Pixar Hit With Layoffs as 175 Staffers Cut
https://variety.com/2024/film/news/pixar-layoffs-175-staffers-cut-1236011766/
Disney's Pixar Animation Studios Eyes Staff Cuts Later This Year
https://deadline.com/2024/05/pixar-animation-studios-staff-reductions-disney-1235728605/
Pixar cuts 14 percent of workforce, shifts focus back to feature films - The Verge
https://www.theverge.com/2024/5/21/24161650/pixar-layoffs-disney-cost-cutting
ディズニーのボブ・アイガーCEOが、同社が取り組んできた「ストリーミングコンテンツの量産」に代わり、品質重視のコンテンツ制作に立ち返るべく、全社的なコスト削減を実施すると発表しました。
このコスト削減の一環として、ディズニーがピクサーの全従業員の約14%に相当する175人を解雇するべく、当該従業員に通知を送信したとThe Hollywood Reporterが報じています。
今回の人員削減はあくまで従業員を対象としたもので、経営陣が影響を受けることはないそうです。なお、The Hollywood Reporterによると人員削減前のピクサーの従業員数は約1300人だったそうです。
ディズニーは独自のストリーミングサービスであるDisney+を展開しており、ピクサーもこのDisney+向けに多数のコンテンツを制作してきました。実際、2023年第4四半期にDisney+で最も視聴された映画は、ピクサーの「マイ・エレメント」です。
しかし、Disney+は長らく赤字に苦しんでおり、四半期決算の中で複数回にわたって「黒字に転換するためにコンテンツ制作を品質重視に戻す」と説明。加えて、コスト削減の一環として人員削減を実施する予定であると説明していました。
ピクサーが2024年に人員を削減予定であることが判明、コンテンツの制作量も減少へ - GIGAZINE
なお、ピクサーで実施される人員削減は、当初「全従業員の20%程度になるのでは」と報じられていました。しかし、実際に解雇されるのは「全従業員の約14%」で済んでいます。また、ディズニー社内でピクサーだけがコスト削減の対象となっているわけではありません。ディズニーは2023年2月にも人員削減を実施しており、全従業員の約3.6%に相当する7000人を解雇しています。
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2023年2月のタイミングでピクサーでも人員削減が実施されなかった理由は、コンテンツ制作のスケジュール上、このタイミングで人員削減を実施することはできなかったためです。「品質重視」に立ち返るため、ピクサーは今後、Disney+向けのストリーミングコンテンツではなく長編映画の制作に注力することとなる模様。ただし、これには2024年後半に配信予定のピクサー初のオリジナルシリーズ「Win or Lose」は含まれません。